ローンの利息をチェック!金利の変動で失敗しないコツ
住宅ローンを利用していても「利息の見方がいまいち分からない…」という方は多いです。利息の見方を知っておけば、借入の負担をコントロールして、家計をラクにすることができます。
本記事では、住宅ローン利息の正しい見方と、今後の金利変動で失敗しないためのコツ、金利を見直すべきタイミングについて解説します。
この記事でわかること
住宅ローンの利息が、大きく変動する理由(2016年以降)
2016 年1月に日銀がマイナス金利を導入して以降、住宅ローンの金利は近年にない低い水準で推移しています。
例えばフラット35の金利の動きを見てみると、35年返済の場合、2009年は3.0%前後もありました。その後、多少上下しますが、2015年は1.5%前後に、そして2016年は2月に1.48%、3月1.25%、4月1.19%とどんどん下がっていっています。
そして、7月にはついに1.0%を下回るようになりました。その後、やや上昇傾向にありますが、今はマイホーム購入には絶好のチャンスだと言えます。
フラット35以外にも民間銀行はどこも低い金利で融資を行っています。
その背景には「マイナス金利の導入」があります。
民間銀行は日本銀行にお金を預けてもマイナス金利で資金が目減りするだけなので、企業や一般顧客にどんどん融資をして利息を稼ごうと考えているからです。
住宅ローンで知っておきたい用語No.57: マイナス金利導入
日本の金融期間は顧客から預かった預金の一部を日本銀行の当座預金に預けるようになっています。
日本銀行はこの預かっている預金の金利を-0.1%にすると発表しました。これを「マイナス金利の導入」といいます。
日本銀行にお金を預けていても目減りするだけなので、企業や個人などに投資して経済を活性化させようというねらいで2016年1月に導入されました。
その結果、民間銀行は日本銀行に預けずに企業への投資を働きかけます。しかし、企業はお金を借りると返さなければなりません。設備投資をしたくてもなかなか踏み切れないのが現状です。
そこで住宅ローンへの融資額を増やそうという動きが生まれます。
[民間銀行が住宅ローンの融資を増やすメリット]
・住宅ローンは家を担保に取っているので貸し倒れのリスクが少ない
・新築住宅の建築が進めば経済が活性化する
・それによって企業への融資も増える
と好循環を生みます。
[住宅ローンの融資を増やすための対策]
銀行が住宅ローンの融資を増やすには、多くの人に借りてもらわなければなりません。
そこで
・審査を甘くする
・金利を下げる
・保証料を0円にする
・さまざまなサービスを提供する
などの対策を取っています。
このような理由からマイナス金利の時期は住宅ローンを借りるのがお得になります。
ローン利息の正しい見方
住宅ローンの金利は店頭で表示される金利(店頭金利・基準金利とも呼ばれる)と表面金利、実質金利があります。
店頭で表示される金利は表向きのものですが、実際は各金融機関によって「優遇金利」が設定されています。店頭金利よりもさらに金利を低くしてくれるもので、これを「表面金利」といいます。
店頭(ホームページのトップ画面など)で見た金利よりもかなり低いのでありがたいのですが、実際に融資を受ける際には事務手数料や保証料などが上乗せされます。これらを含めて金利として計算したものが「実質金利」です。
そのため店頭金利が低いように見えても、事務手数料などが高くて結局実質金利が高くなったというケースがあります。
また逆に「融資に問題がない優良顧客」と判断される場合などは優遇金利で大幅に金利を下げてくれるケースがあります。その場合は実質金利が低くなります。
一度金融機関のホームページでシミュレーションしてみましょう。その上で担当者に交渉することで、さらに金利の優遇を受けられる可能性があります。
メモ:金利優遇は、どこで適用されるのか?
住宅ローンの優遇金利とは店頭に表示している金利から特定の顧客だけに金利を低くする優遇することを言います。
優遇金利は金融機関によって割引率や内容が異なります。
例えば
・銀行が指定する住宅メーカーで新築・購入する人で太陽光発電システムを搭載する場合、0.1%優遇
・頭金が物件価格の1割以上の場合、0.05%優遇
などがあります。
また返済の全期間を対象に優遇される「全期間一律優遇タイプ」、借り入れ当初の一定期間優遇される「当初期間優遇タイプ」などもあります。
全期間固定金利で借りると1.0%優遇されたり、当初3年間は1.0%優遇されたりします。
優遇金利は金融機関によって異なるので、よく比較してみましょう。
金利変動で失敗しないためのコツ
住宅ローンの金利には
- 全期間固定金利型
- 変動金利型
- 固定期間選択型金利(ミックス型)
の3通りがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
金利タイプ | 全期間固定金利 | 変動金利 | 固定期間選択型 |
---|---|---|---|
特徴 | 借り入れた時の金利がずっと続く | 金利は半年ごとに見直される | 2年、3年、5年、10年など一定期間は固定金利で、それ以降は変動金利か固定期間選択型か選べる |
メリット | ・低金利の時に借りれば全期間の利息が安くできる | ・他の金利タイプよりも金利が低い ・低金利の時期に借りるとお得 |
・一定期間は金利の変動がないので安心できる |
デメリット | ・変動金利よりも金利が高め ・返済計画が立てやすい |
・将来金利が上昇すると総返済額が増える ・返済計画が立てにくい |
・変動金利型よりも手数料やなどが高い傾向がある |
変動金利は借り入れ当初の金利が低いのが魅力ですが、長い返済期間中には金利がどれだけ上昇するのか読めないという不安があります。
今は低金利時代ですので、全期間固定期間型にするのが安心できます。
金利を見直すべきタイミングについて
すでに住宅ローンを借りている方は、どの金利タイプで借りているでしょうか?
もし今よりも高い金利で借りている場合は、借り換えがおすすめです。
特に変動金利で借りている方は今が見直しのチャンスです。
早めに切り替えましょう。
まとめ|金利の流れを知って、かしこく「住宅ローン」を活用しよう
住宅ローンの金利は店頭(ホームページ上)に表示されている店頭金利にばかり目が向きがちです。
しかし、実際はさまざまな優遇金利を設けています。さらに事務手数料などを加算してトータルで金利を計算しなければなりません。
面倒でも複数の金融機関で金利と返済のシミュレーションをしてみましょう。
借りる場合は変動金利は将来の金利上昇時にどれだけ上がるか不安があります。低金利の時代だからこそ、固定金利を選択するのがお得です。