勝ち組に学ぶ・これからの時代は「賃貸管理」がアツい!
最近は、普通の一軒家やマンションの一室を賃貸管理し、利益を手にする若者が増えています。しかし、正式な手続きを踏まなければ、旅館業法に違反する危険性があります。
賃貸物件を合法的に運営するには、法に基づき「正しい方法」で、不動産の取得・管理を行ってください。本記事では、勝ち組が実践している正しい賃貸管理法について説明します。
この記事でわかること
これから注目される「賃貸物件」とは
「自分の家の空いている部屋を一時的に人に貸す」ということはとても合理的に思えます。最近では「Airbnb(エアーB&B)」というサイトが注目を集めています。これは空き部屋を有料で貸したいという人が登録し、旅行などで借りたい人が申し込みをするためのマッチングサイトです。
世界各地で広がっていますが、日本では有料で人を宿泊させる場合は「旅館業法」で取り決めがあり、それに抵触する可能性があります。
また、賃貸用の住まいを購入する際には、アパートローンなど賃貸用のローンを申し込む必要があります。そもそも住宅ローンは自分が住む住宅用に借りるものなので、返済中の物件を人に貸して家賃収入を得ることはできません。
ただ、返済が終了した物件は人に貸すことができます。頭金を多めに準備して返済期間を短くしたり、途中で繰上返済をしたりして住宅ローンを早くに完済すれば、その後は賃貸物件として運用することができます。
住宅ローンで知っておきたい用語No.90: 旅館業法
旅館業法は「宿泊料を受け取って人を宿泊させる営業」に関する法律で、ここでいう「宿泊」とは「寝具を使用して施設に寝泊りすること」を指します。
そこに生活の拠点を置くアパートや間借りは「貸室業・貸家業」とみなされ、旅館業の対象にはなりません。
旅館業の対象となるのは次の4種類です。
① ホテル
② 旅館
③ 簡易宿泊所(山小屋、カプセルホテルなど)
④ 下宿(1ヶ月以上の期間、宿泊すること)
これら旅館業の営業を始めるときは都道府県知事の許可を受ける必要があります。また、都道府県の条例で定められている換気や採光、照明、衛生などの基準に従うこととされています。この衛生基準に従って営業されているかどうかを都道府県知事は報告を求め、立ち入り検査をすることが許されています。
最近注目を集めている「Airbnb(エアーB&B)」は世界各地の空き家や空室をインターネットで紹介するサービスで、日本では「民泊」が該当します。
ただ、日本では民泊として宿泊できる施設は、旅館業法によって
①簡易宿泊所
②国際戦略特区として認められている東京都大田区・大阪府の一部だけ
となっています。(2016年11月現在)
一般の民家を民泊とは認めていないのですが、外国人観光客の増加に伴い新たに「民泊の新法」(新法民泊)を設けようという動きが出ています。
一般の民家に宿泊させるのは新法民泊の対象になるのか、エアーB&Bはどうなるのかなど、今後の動きに注目です。
賃貸管理で、資産運用をするコツ
最初から賃貸物件として運用したいという場合は、住宅ローンではなくアパートローンを利用することになります。
アパートローンは一般の住宅ローンよりも金利が高く、返済期間がやや短い傾向がありますが、20歳以上で安定収入がある人なら利用できます。
賃貸物件として利益を得ようと思う場合は、アパートローンで計画を立てるといいでしょう。
メモ:ローン返済中に、人に貸してはダメな理由
住宅ローンはお金を貸してくれる金融機関と「金銭消費貸借契約書」を交わします。これは大切な契約で、貸付金額や返済方法、担保に関することなどが記載されています。
その中に「資金の使途」が「自己居住用住宅の取得」などと書いてある場合は、「自分が住むことが借入の条件」になります。それなのに自分が住まずに人に貸すのは契約違反となり、「35年で返済する」という融資の際の債務者の利益を失うことになります。
つまり、残金を一括で返済しなければならないということになります。(一括返済以外にアパートローンへの借り換えを勧める場合もあります。)
金銭消費貸借契約書をよく見てみましょう。
例えば、借主が貸主に通知なくして人に貸したり、住所を変更したりしたらすぐに元金と利息を全額返済することなどと記載されていることがあります。
(ただし、契約内容や条件は金融機関によって異なります。)
そうは言っても転勤などでその家に住み続けることができないというケースがあります。そのときは金融機関に相談してみましょう。
例えばフラット35では転勤や親の介護など借入時には予測できなかった事情でその家に住めなくなった場合に限り、人に貸すことが認められています。(契約通りにローンを返済することが前提です。)
なお、住宅ローンの商品説明にも「本人が住む住宅購入用資金に限る」「アパート併用物件への融資は不可」などと書かれています。
扱いは金融機関によって異なるので、申し込み前によく確認しておきましょう。
賃貸物件に住宅ローンは使えるのか?
住宅ローンは賃貸物件の購入には使えませんが、「不動産担保ローン」に切り替えると利用範囲が広がります。
不動産担保ローンとは所有する不動産を担保にお金を借りるもので、使い道が自由なのが特徴です。
不動産担保ローンは住宅ローン返済中の物件でも担保にできますが、融資額は物件の評価額の範囲までなど一定の条件があります。
ただ、無担保ローンよりも金利が低く、使い道が自由なので賃貸物件として人に貸して家賃収入を得て、それで返済することも可能です。
賃貸にして良い物件、悪い物件
個人用に住宅ローンを利用して取得した住宅を無断で人に貸すことは禁じられています。
ただ、転勤や親の介護などでの引越しで家を使用しなくなった場合は「留守宅管理申請」をすることで賃貸することができます。
特に住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)は住宅ローンの利息が低いなどのメリットが多い反面、無断賃貸には厳しく対処しているので注意が必要です。
まとめ|賃貸物件はルールを守って、正しく運営しよう
安易に人に部屋や家を貸すことは法律に抵触したり、住宅ローンの契約違反に問われたりします。特に住宅ローンでは第三者への賃貸には厳しく対処しています。
賃貸物件で利益を得ようと思うならばルールを守って正しく運営しましょう。