住宅ローンの契約はここに注意しよう(サインをする前にチェック!)
住宅ローンの本審査が通ったら、いよいよ「融資実施」に向けた最後の手続きが始まります。ローンは審査が終わったらすべてではありません。ここから、重要な抵当権の設定や、融資のお金を受け取るという大きな手続きが残っています。
本記事では、住宅ローンの契約時に注意したいポイントや、契約書の読み方、必要な書類について説明します。
この記事でわかること
住宅ローン契約をする前に確認すべきポイント
住宅ローン契約はお金を借りるための手続きです。
住宅ローンの契約書は正式には「金銭消費貸借契約書」と言って、契約に関する重要な内容が記載されています。
印鑑を押す前に内容をしっかり確認しておきましょう。
契約書の記載内容と確認ポイントは以下の通りです。
記載されている内容 | 確認するポイント |
---|---|
借主に関する記載 | 借主の住所・氏名・生年月日・性別・団体生命保険の加入の有無 |
連帯債務者に関する記載(※1) | 連帯債務者の住所・氏名・生年月日・性別・団体生命保険の加入の有無 |
連帯保証人に関する記載(※2) | 連帯保証人の住所・氏名・生年月日・性別・団体生命保険の加入の有無 |
借入内容に関する記載 | ・借入金 ・毎月の返済額 ・借入使途(住宅購入など) ・利率 ・金利方式(変動型・固定型など) ・借入期間 ・返済方式(元利均等方式など) ・借入金を受け取る口座の口座番号 ・返済する口座番号など |
(※1・※2は必要な場合のみ)
特に借入金や利率などは間違いがないかよく見ておきましょう。
なお金利は融資の実行を受ける時点のものが適用されます。
事前に住宅ローン選びの段階で調べていたときとは金利が違っている可能性があります。
金利の動向は常に意識しておきましょう。
住宅ローン契約書の正しい読み方(何が書かれているのか?)
住宅ローンは「誰が」「誰に」「何の目的で」「いくら」「金利はどれくらいで」「いつまで」貸すのかについて書かれています。
最近の契約書は比較的わかりやすくなっていますが、不明点があればそのつど質問してクリアしていきましょう。
契約約款も要確認
契約書は個々の借主と金融機関の間で交わすもので、それぞれの名前などが記載されています。
それとは別に住宅ローン契約全般での約束事などを書いた「約款(やっかん)」が交付されます。
(約款は金融機関によっては「ご利用規定」となっている場合があります。)
約款には
- 借入日(融資の実行日)に金利が確定すること
- 融資の実行において契約が成立すること
- 書類に不備がある場合は融資の実行がされないこと
- 資金の使途は住宅購入や増改築に限ること
- 返済条件の変更(繰り上げ返済や返済金額の変更など)は借主から申し出ること
- 返済用口座は完済するまで解約はできないこと
- 約束の返済日にきちんと返済すること
- 利率の変動に伴う返済額の変更について
- 借主が破産、支払いの遅延(書面で催促されても返済がない場合)、返済の停止などがあった場合はただちに全額返済すること
- 担保について
- 連帯債務について
など重要なことが細かく記載されています。
小さな文字で書かれていることが多いので全部読まずに、受け取ってそのままという人がいますが、しっかり読んでおきましょう。
諸費用と抵当権設定について
住宅ローンを契約するときには「諸費用」がかかります。
諸費用の内容は次の通りです。
諸費用の内容 | 金額の目安 |
---|---|
事務手数料 | 5万円~10万円 |
保証料 | 0円~60万円 |
団体信用生命保険料 | 年齢による異なる |
火災保険料・地震保険料 | 物件により異なる |
印紙税 | 借入金額により異なる |
抵当権設定登録免許税 | 物件により異なる |
司法書士の報酬 | 5万円~10万円 |
諸費用の総額は物件や借入金額、金融期間によって異なりますが、一般に物件価格の3%~10%といわれています。
3000万円の物件なら90万円~300万円が必要ということになります。
最近は保証料を0円にしている金融機関がありますが、その分事務手数料が高いなど諸費用の設定はさまざまです。
住宅ローン選びの段階で諸費用もよく確認することが大切です。
また住宅ローンを借りるときには、抵当権を設定します。
住宅ローンで知っておきたい用語㊻: 抵当権設定
抵当権を設定するということは、自宅を担保にするということです。
つまり、もし住宅ローンが返せない場合は担保にした自宅を取り上げられるという意味です。このことを「抵当権の実行」といいます。
住宅ローンを借りるときは必ず抵当権を設定します。
手続きは法務局で「抵当権設定登記」をする必要がありますが、多くの場合は司法書士に依頼して行います。
手続きには
・抵当権設定契約書
・登記済証
・印鑑証明書
・司法書士への委任状
などが必要になります。
必要な書類は、早めに準備しておこう
住宅ローンの契約には、前の項でもご紹介した通り
- 住民票(新住所のもの)
- 本人確認書類(免許証やパスポートなど)
- 印鑑証明書
- 火災保険申込書
- 返済用の口座
などが必要になります。
返済用の口座は融資を受ける銀行のものが必要で、もし新たに取引をする場合は口座開設をしなければなりません。
また、住民票を新住所に移したり、印鑑証明書を発行してもらったりといった役所に出向いて取寄せるものもあります。
何が必要なのか、また印鑑証明書は1通でいいのかどうかなども事前によく確認して準備しておきましょう。
まとめ|契約は、最後の最後まで「気を抜かない」こと!
住宅ローンの契約は高額なお金を借りて約30年~35年もかけて返済する重要な手続きです。
万が一返済できない場合は家を手放す可能性もあります。
それだけに慎重に最後の最後まで気を抜かずに、書類の内容をよく確認してから交わすようにしましょう。