マンションのプロに聞く「賢い住宅ローンの活用法」
テレビや雑誌、インターネットなど、さまざまな媒体で、住宅ローンを使いこなすコツや、ローン審査を通す「裏技」について、取り上げています。しかし、ローンのことを聞くなら、融資担当者や不動産屋に質問するのが一番です。
本記事では、マンションのプロから聞いた「賢い住宅ローンの活用法」についてご紹介したいと思います。
この記事でわかること
マンションをお得に買うコツ
マイナス金利政策のおかげで住宅ローンが低金利で借りられる時代になっています。
ただ、金利は今後上昇する可能性があります。「頭金を貯めてから」とか「もっと給料が増えてから」という考え方もありますが、その間も現在の住まいの家賃を支払い続けなければなりません。
それならば金利が低く、しかも住宅ローン減税(住宅ローン控除)がある間にお目当ての物件を購入する方が得策です。
特に低金利をうまく活用すれば総返済額が抑えられるので、毎月の返済額は家賃と変わらない金額にすることが可能です。
住宅ローンで知っておきたい用語No.89: ローン残高
住宅ローン減税(住宅ローン控除)を受ける場合や、住宅ローンを借り換える場合などは「住宅ローンの残高」を調べる必要があります。残高は金融機関の窓口で申し出ますが、ネットバンキングは銀行のホームページにログインして自分で確認することもできます。
なお住宅ローン控除を受ける場合は「住宅ローンの年末残高証明書」が10月以降に自宅に郵送されます。(金融機関によって異なります)
大切に保管して、確定申告や年末調整のときに提出しましょう。
また、家を売却する場合は住宅ローンの残高をすべて完済していることが条件になります。そのときにも金融機関に残高を確認します。
住宅ローンを使って、マンションを賢く購入するポイント
住宅ローンは返済方法を調整することで、かなり得をすることができます。
そのポイントは住宅ローン減税(住宅ローン控除)の活用、低金利の活用と繰上返済です。
① 住宅ローン減税(住宅ローン控除)の活用
住宅ローン減税(住宅ローン控除)とは、住宅を取得した年から10年間、年末の住宅ローン残高の1%がその年の所得から控除されるという制度です。
たかが1%ですが、住宅ローンの残高が4000万円ある場合、40万円が所得から控除されることになります。
平成26年4月1日~平成31年6月30日までが対象で、借入の上限は4000万円、控除率は1%なので最大で年間40万円が控除されます。
借入(入居)から10年間が対象なので、この期間に支払い残高が多くなるようにするとより控除額が多くなりお得です。
② 低金利の活用
金利は常に変動しています。住宅ローンの融資には「全期間固定金利」「10年間固定金利」「変動金利」などさまざまな返済方法がありますが、固定金利は変動金利よりも金利が高めに設定されています。一方、変動金利は当初は低い金利ですが、長い返済期間中に金利が上昇する可能性があります。
そこで金利が低い時代に多く返済(できれば完済)してしまうと、総返済額をかなり抑えることができます。
③ 繰上返済の活用
住宅ローンの返済は20~35年と長期にわたります。その間はずっと返済が肩にのしかかっているわけですが、ボーナスや臨時収入などがあればその都度繰上返済をすると、返済を早くに終えることができます。
その後は収入を違うことに使ったり、老後資金に充てたりできます。こまめに住宅ローンの残高をチェックして返済していきましょう。
ただし、これらの方法は専門的な知識や金融情勢のこまめなチェックなどが必要です。ローンのプロに相談しながら進めましょう。
メモ:住宅ローンよりも「高い利回り」で、資産運用できるなら…?
住宅ローンは早くに返済すればするほど総返済額が少なくなると言われています。
しかし、繰上返済や低い金利の住宅ローンへの借り換えは手数料がかかります。
もし住宅ローンの早期返済よりも利回りの良い投資方法があるなら、そちらにお金を回す方が結果的にお金を残すことができます。
低金利の時代なので定期預金ではなかなかお金を殖やすことはできませんが、株や投資信託、FX、金などで資産運用ができないか考えてみましょう。
また、自宅の一部を人に貸して家賃収入を得ることもできます。運用方法は数多くあるので、広い視野で探してみることをおススメします。
プロに聞く・マンションの購入で気をつけるべきポイントは2つ
不動産経済研究所が2016年7月に発表した調査結果によると、2016年上半期の首都圏の新築マンションの発売戸数は14,454戸でこれは前年同期比で約2割の減少です。
一方、1戸当たりの平均販売価格は5,686万円で前年同期より8.2%も上昇しています。物件価格は4年連続で上昇しているということですが、これは人件費の高騰が影響しているのだとか。
首都圏は2020年の東京オリンピック開催で地価の上昇も影響していると考えられます。
ただ、オリンピック終了後は地価、物件価格ともに下落する可能性があります。また、ある調査では東京都内の人口は2020年を境に減少すると予測されています。
そうなるとさらに物件過多となり、マンションの価格が下がる可能性があります。
こんな物件はNG! おすすめできないマンションの特徴
マンションを購入する場合は長期的な視野で検討することが大切です。
特に注意したいのは将来資産価値が下がる物件です。
- 都市部へのアクセスがよくない
- 近隣に新駅ができることで交通の利便性や買い物などの生活環境が低下することが予測される
などは避けるようにしましょう。
特に立地条件は資産価値を左右する要素です。さまざまな情報を集めることが大切です。
まとめ|マンションのことは、プロに何でも相談しよう!
マンション選びは自分たちの生活基盤を中心に考えるといいのですが、将来のことを考えて値崩れしない優良物件を探すようにしましょう。
物件選び、住宅ローン選びや上手な借り方などはプロに相談して後悔しないように進めることが重要です。