資産価値を高める! 賢いマンション契約と「住宅ローン」
マンションを購入し、資産価値を高めてから売りに出す「資産運用」法は、若い人の間でも「ひそかなブーム」となっています。
通常、賃貸物件を購入する場合は「住宅ローン」が利用できません。しかし、賃貸用ローンを組めば、物件を購入し「家賃収入」を得ることが可能です。
本記事では、賃貸用マンションの買い方や、利用できるローンについて説明します。
この記事でわかること
資産価値を高めるマンションの買い方
賃貸用マンションで収入を得るには「空室」を失くすことが基本です。そのためには人気があるエリアや物件を見つけることが重要になります。
自分ならどんなところに住んでみたいかを考えるのもひとつの方法ですが、「学生が借りるなら?」「女性が借りるなら?」と借り手をイメージしながら考えてみましょう。
- 交通網が充実していて便利
- スーパーやおいしい店が多いところ
- 大学に近い
- オフィスに近い
などを条件に探すのがおススメです。
さらに賃貸として収益を上げるには、継続して家賃が入ることが大切です。
将来資産価値が下がらないかどうかもチェックしておきましょう。
- 新駅ができる
- 都市開発の予定がある
といった情報を早くにキャッチすると、今後資産価値が出る物件を安い時期に入手できます。
住宅ローンで知っておきたい用語No.88: 新駅構想
不動産を選ぶ場合の条件のひとつに「交通の利便性」があります。
駅から近いかどうか
複数の路線が利用できる駅かどうか
乗り換えに便利な駅かどうか
通勤・通学先までの移動時間
駅周辺の環境(商業施設や飲食店の有無など)
が資産価値を左右します。
そこで注目したいのが「新駅構想」です。
駅が新しくできるとその周辺は地価が上がったり、物件価格が上昇したりします。そのため、新駅構想の情報を早くに入手して土地や物件を入手すると不動産としての資産価値が高まります。
【新駅構想の例~品川・田町駅間の新駅構想】
JR東日本は山手線の品川駅と田町駅の間に新駅を2020年に開業します。
新駅の周辺は
・車両基地の移転に伴う跡地の開発
・2015年 上野東京ラインの開通
・2027年 リニア中央新幹線開通 品川駅が始発駅になる
などで開発が進んでいます。
現在東京ではこれ以外のエリアもオリンピック需要で地価が上昇していますが、オリンピック終了後は地価が下落するのではないかと言われています。
ただ、この品川~田町駅エリアは今度ますます開発が進むことが予測されているので資産価値としても注目です。
賃貸マンションに使えるローンの種類
本来は住宅ローンは自分が入居することを条件にしていますが「賃貸ローン」や「アパートローン」は賃貸を前提とした物件購入に利用できます。
取り扱い金融機関 | 名称 | 条件 | 融資可能額と返済期間 |
---|---|---|---|
みずほ銀行 | アパートローン | 20歳以上で安定収入があること | 50万円以上5億円まで 最長35年返済 |
三井住友銀行 | 直担アパートローン | 20歳以上 | 200万円以上物件価格まで 最長35年返済 |
三菱UFJ信託銀行 | 賃貸マンション・アパートローン | 20歳以上で土地を所有していること | 100万円以上3億円まで 最長30年返済 |
東京都民銀行 | とみんアパートローン | 20歳以上で安定収入があり土地を所有していること | 1000万円以上1億円まで 最長30年返済 |
このように基本的に20歳以上で安定した収入があれば融資は受けられますが、一部に土地を所有していることが条件になっているものもあります。
一般にアパートローンは住宅ローンよりも金利が高めに設定されています。具体的なことは各金融機関で相談してみましょう。
メモ:マンション供給量の少ない人気エリアは、資産価値が高まる
賃貸用物件を探すなら、人気があるのに物件の数が少ないところ、つまりマンションの供給量が少ないところが狙い目です。
例えば
・大学が近いのにワンルームマンションが少ない
・商業施設やオフィス街の通勤エリア内に女性向けのマンションが少ない
・郊外で子育てに適した環境なのに若いファミリー層の手頃なマンションが少ない
など市場調査をしてみましょう。
最近の大学は郊外にキャンパスを移転するケースがあるので、学研都市として開発が進みそうかどうかを見極めるといいでしょう。
また、新しく工場を誘致している土地や新駅周辺などもマンションの建設が追い付かないので供給量が不足しています。大きな総合病院ができたのに医師や看護師向けの物件が少ないというエリアもチャンスです。
ただし、どの条件も永久的なものではありません。大学や工場の移転・閉鎖などもあり得ます。
常に情報をキャッチする習慣をつけましょう。
住宅ローンを活用した賃貸経営
住宅ローンを借りると当然返済しなければなりません。
しかし、毎月の返済額以上に家賃が入れば収益を上げることができます。
例えば
3000万円でマンションを購入し毎月の返済額(ボーナス払いなし)が8万円の場合、家賃を12万円にすると毎月4万円の収入になります。
単純に利回りを計算すると、物件価格3000万円に対して年間の家賃収入は144万円なので、利回りは4.8%となります。
一方、アパートローンの金利が1.5%だとすると、
4.8%-1.5%=3.3%
となります。この3.3%(金利の差)のことをイールドギャップと呼びます。
ただし、実際には修繕費がかかったり、すぐに入居者が決まらないなどの空室リスクなどがあります。
事前によくシミュレーションをして損をしないように考えましょう。
自宅と賃貸物件をシェアする方法・家賃でローンが返せる!
自宅の一部を人に貸して賃貸収入を得る住まいのことを「賃貸併用住宅」といいます。
この場合、住宅ローンは上記でご紹介したアパートローンではなく、一般の住宅ローンが利用できます。
ただし、その物件の中で自宅部分が51%以上あることという条件がつきます。
1階を人に貸して2階に自分たちが住むという場合、面積は賃貸部分が少なくなるようにしなければなりません。
4LDKの住まいのうち、1部屋または2部屋を人に貸すという方法もあります。
賃貸併用住宅はアパートローンよりも金利が低い一般の住宅ローンが利用でき、住宅ローン減税が活用できるのでお得です。
しかも家賃収入を住宅ローンの返済に充てることができます。
家賃収入は不動産所得として確定申告が必要ですが、賃貸部分の住宅ローン返済額や固定資産税、設備費などを経費として所得から差し引くことができます。
まとめ|誰でも、アパート・マンション経営できる時代!
不動産オーナーとして賃貸収入を得ることができますが、もし入居者が決まらない場合は空室になるというリスクを抱えています。
一方、賃貸併用物件なら金利が低い住宅ローンが利用できて、しかも家賃収入が得られます。
子どもが育って親が広い家に住んでいる場合などはリフォームして賃貸併用住宅にすることも可能です。
新しい住まいの形として検討してはいかがでしょうか。