ローン金利で失敗しやすいのは、こんな人
住宅ローンの金利は、最初の設定が重要です。また、設定した後もこまめに見直しを行い、良いタイミングで「借換えか継続か」判断する必要があります。
本記事では、ローンの金利設定で「失敗しやすい人」の例をもとに、金利変動に負けない「正しい金利設定の仕方」について説明しましょう。
この記事でわかること
ローン金利で、失敗しやすい人の特徴
住宅ローンは金利にばかり目が向きがちですが、目先の「お得」に飛びつくと後で後悔するかも知れませんよ。
ローン金利で、失敗しやすい人の特徴
- 変動の最新金利に飛びつきやすい
- 銀行を選ばずに、フラット35を利用
- 返済期間を長く設ける(定年後も返済)
- 繰上返済の手数料を確認しない
- ボーナス返済を頼りにし過ぎ
① 変動金利は要注意!
銀行のホームページで住宅ローンのページを開くとまず目に入るのが「変動金利」
です。
全期間固定金利1.2%と変動金利0.5%を比較すると、変動金利の方がお得だと思えます。しかし、変動金利は半年ごとに金利の見直しがあり、返済額は5年ごとに見直されます。そのときの金利の状況によっては返済額が高くなってしまいます。(金融機関によっては半年ごとに見直しのところもあります。)
目先の金利だけにとらわれていると、長い目で見た場合に返済額が多くなる可能性があります。
② フラット35は各銀行をチェックすべし!
フラット35は全期間固定金利で保証料が不要、審査が比較的甘い、団体信用生命保険の加入義務がないなど多くのメリットがあります。
条件に合えばぜひ利用されるといいのですが、「とにかくフラット35ならOK」とならないように注意しましょう。
フラット35は多くの銀行で取り扱いをしています。
同じフラット35でも銀行によって金利や事務手数料が異なります。フラット35を利用する場合は、金利や事務手数料、その他の特典などをよく比較するようにしましょう。
(例 返済期間20年以下 2024年1月現在の金利)
銀行 | 金利 | 事務手数料 |
---|---|---|
ARUHIフラット35 | 0.95% | 融資額の2.0% |
りそな銀行 | 1.17% | 32,400円または融資額の1.836% |
イオン銀行 | 0.95% | 54,000円または融資額の1.836% |
③ 定年退職後も返済できる?
住宅ローンの返済期間は、フラット35は最長35年と決められています。それ以外は「完済時が75歳未満であること」といった条件があります。
40歳で借り入れて返済期間を35年にすると、完済時は75歳になります。これでは60歳の定年退職後15年間も返済を続けなければなりません。
退職金がたくさんあればいいのですが、現在の勤め先で終身雇用があるという保障はなく、退職金も約束されているわけではありません。
むやみに返済期間を長くすると、後で返済に苦労することになります。
住宅ローンで知っておきたい用語No.63: 長期プライムレート
長期プライムレートとは民間銀行が優良企業に1年以上の融資に対して適用される最優遇金利のことを指します。
最近はみずほ銀行や新生銀行など一部の金融機関だけが発表しています。また、企業向けの融資では短期プイライムレートに一定の利率を上乗せした「新長期プライムレート」が採用されています。
ローン金利の意外な落とし穴「手数料」
住宅ローンは定期的に 金利や返済額をチェックして見直すことが大切です。借り入れたときよりも現在の方が金利が低くなっていたら、借り換えを検討しましょう。
ただし、借り換えには
- 事務手数料
- 保証料
などがかかります。銀行によっては保証料が無料のところがありますし、最初に借りた銀行で払った保証料を残年数分戻してもらえるケースがあります。ただ、その際に「保証料返戻手数料」が必要になる場合があります。
「借り換えはこまめに何度もするのがお得」といわれていますが、手数料がかさまないように気をつけましょう。
もちろん新規の借り入れ時も手数料や保証料をしっかりチェックしましょう。
金融機関 | 新規借り入れ | 借り換え | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
金利(20年固定) | 保証料・団信保険料 | 手数料 | 金利(20年固定) | 保証料・団信保険料 | 手数料 | |
新生銀行 | 1.10% | 0円 | 162,000円 | 1.10% | 0円 | 162,000円 |
住信SBIネット銀行 | 0.81% | 0円 | 融資額の2% | 0.81% | 0円 | 融資額の2%※ |
イオン銀行 | 0.79% | 0円 | 108,000円または融資額の2.16% | 0.79% | 0円 | 融資額の2.16%※ |
※一部繰上返済手数料は無料となっていますが、事務手数料として別途融資額の2%または108,000円が必要になります。
このように手数料は金融機関によって異なります。金利はホームページの目立つところに大きく表示されていますが、事務手数料は小さな字で書かれているので見落としがちです。
新規の借り入れや借り換えの際には、すみずみまでチェックするようにしましょう。
ボーナスの「増額返済」に頼るのは危険…!?
毎月の返済額を抑えようと「ボーナス払い」を多く設定していませんか?
ボーナスの支給額は会社の業績によって大きく左右されます。今は好調でボーナスが多いとしても、今後もそれが続くとは限りません。
また、ボーナスは子どもの教育費や家族の医療費など予定外の支出に備えておく必要があります。
あまりボーナス払いに頼り過ぎないようにしましょう。
まとめ|金利変動に負けない住宅ローンの借り方
住宅ローンは長期間にわたって返済しなければなりません。数年で返済が終わる自動車ローンと違って、長距離マラソンのようなものです。
途中で息切れしないように、事前にしっかり計画を立てておきましょう。また、返済中に金利や返済金額を見直して少しでも安全に早くゴールできるように取り組みましょう。