住宅ローンの返済方法は二種類ある(利息をどんどん減らす賢コツ)
住宅ローンの返済方法は、大きく分けて二種類あります。本記事では、ローン返済の基本となる「元利均等返済」と「元金均等返済」の仕組みについて詳しく説明をします。
返済の仕組みを知れば、利息を減らして「住宅ローン」を賢く活用できます。ぜひ、返済負担軽減の参考にしてみてください。
この記事でわかること
住宅ローン・二種類の返済方法とは
住宅ローンの返済は大きく分けると、最初から元金と利息を合わせて均等に割った額を返済する「元利均等返済」と、元金を返済期間で均等に割りそれに応じた利息を上乗せして返済する「元金均等返済」の2通りの方法があります。
住宅ローン|二種類の返済方法
- 元利均等返済
- 元金均等返済
二種類の返済方法を検討する上で大切なキーワード「元利」と「元金」を理解しておきましょう。
住宅ローンで知っておきたい用語⑧: 元利と元金の違い
「元利」とは「元金」と「利息」のことで、住宅ローンの場合は「元金と利息を合わせた金額」のことを指します。
一方、「元金」は「借り入れた金額」のことで利息を含まない金額のことを指します。
元利均等返済のメリット・デメリット
元利均等返済は元金と利息を合わせた「元利」を均等に返済する方法です。
元利均等返済のメリット
- 毎月の返済額が一定
- 返済計画や生活設計が立てやすい
- 取り扱う金融機関が多い
返済が始まる時期はまだ若く返済額が多いと負担になるという場合でも、最初から返済額が一定で家賃を払うのと同じ感覚で返済できるのが大きなメリットになります。
また、大きな金利の変動がない限り毎月の返済額が一定なので子どもの進学などの資金計画を立てやすいのが特徴です。住宅ローンは元利均等返済を選ぶ人が多く、取り扱っている金融機関が多いので複数の金融機関から選ぶことができます。
元利均等返済のデメリット
- 元金均等返済よりも元金の減り方が遅い
- 総返済額が元金均等返済より多くなる
元利均等返済は毎月の返済額が一定というメリットがある反面、返済スタート時は利息分の返済が多くなります。そのため、元金がなかなか減らないというデメリットがあります。また利息を含めた返済総額は元金均等返済よりも多くなります。
メモ:均等返済のしくみ
均等返済とはローンの返済開始から終了時まで返済額を均等にする方法のことを言います。
住宅ローンでは元金と利息を合わせて均等に返済する「元利均等返済」と元金だけを均等に返済する「元金均等返済」の二種類があります。
元金均等返済のメリット・デメリット
元金均等返済は借り入れた元金を返済期間中、均等に返済する方法です。それぞれの返済時期の残高に対して利息が上乗せされます。
元金均等返済のメリット
- 元金が早く減る
- 元金の減少に合わせて利息も減るので返済額が減っていく
- 金利上昇の影響を受けにくい
- 総返済額が元利均等返済よりも少なくなる
住宅ローンの利息は元金に対して上乗せされます。元金均等返済は、元金だけを均等に割って返済するため元利均等返済よりも元金が早く減っていきます。また上乗せされる利息も少ないために総返済額は元利均等返済よりも少なくなります。利息が少ないということは、将来金利が上昇した場合でも受ける影響が小さくなるのも元金均等返済のメリットだと言えます。
元金均等返済のデメリット
- 最初は毎月の返済額が多い
- 取り扱いをしている金融機関が少ない
元金を返済年数で均等に割って返済するため、返済開始当初は毎月の返済額が多くなります。しかし、返済が進んでいくと元金が減っていくので、それにつれて利息が少なくなり月々の返済額は少なくなります。
元利均等返済と元金均等返済の返済額の違い
元利均等返済 | 元金均等返済 | |
元金 | 3000万円 | 3000万円 |
利息 | 約992万円 | 約902万円 |
毎月の返済額 | 110885円 | 133333円(初回)その後、少しずつ減少 |
返済総額 | 約3992万円 | 約3902万円 |
どの返済方法を選ぶべきか「自分に合う返し方」とは?
「元利均等返済」と「元金均等返済」はそれぞれにメリット・デメリットがあります。また、利用する人の条件によっても違いが出てきます。
どの返済方法を選ぶべきか、事前によく考えてみましょう。
元利均等返済が向いているケース
毎月の返済額が少ないために、返済スタート時は子どもが小さくて妻が働きに行けない人、や若くて収入が少ない人におすすめです。
元金均等返済が向いているケース
返済スタート時は均等に分割した元金に利息が上乗せされるために毎月の返済額が多くなります。しかし、返済が進むにつれて元金が減少するため、毎月の返済額は減っていきます。
「返済スタート時は子どもが小さくてお金がかからないが、子どもの成長と同時にお金がかかるので将来は返済額を減らしたい」「今は子どもがいないので夫婦共働きだから返済額が高くてもいいが、子どもが生まれたら妻の収入がなくなるので元金を早めに返しておきたい」という人に向いています。
なお、元金均等返済を扱っている金融機関は少ないので、住宅ローンを申し込む前に取り扱っているかどうかをよく確認しましょう。
まとめ|自分に合う、返済方法を選択しよう!
「元利均等返済」は毎月の返済額が一定なので、収入が少ない人でもその範囲で支払えるローンを組むことができます。
一方、「元金均等返済」は元金が順調に減っていくため、総返済額も元利均等返済より少なくなります。ただ、毎月の返済額が多くなります。
自分はどの返済方法が向いているのか、返済可能な金額かどうか、将来的に収入や支出がどう変わるのかなどの生活設計と合わせてぴったりな返済方法を選ぶことが大切です。