物件契約では、不動産業者からの説明を聞き逃さないように!
物件を契約する場合は、業者の話をしっかり、最後まで聞き逃さないようにしましょう。
特に、契約に関することはメモを取り、契約事項に関する書面は最後まで、くまなく確認してください。また分からないことは、何でも業者に相談し、疑問があれば、その場で解決するよう心がけましょう。
本記事では、物件説明の際「どのように、業者の話を聞くのか」契約での心構えについてお教えします。
この記事でわかること
物件を購入する際、大切な重要事項説明
住宅の売買契約をする前に物件の内容や取引条件についての説明があります。
これを「重要事項の説明」といい、宅地建物取引士が「重要事項説明書」をもとに説明します。
契約内容の最終確認ともいえる作業ですが、不動産に関する専門用語がたくさん出てくるため、初心者にとっては「分かりにくいこと」も多いものです。
そこで、ここでは重要事項の説明において「聞いておくべきこと」と「注意したいポイント」について説明します。
住宅ローンで知っておきたい用語⑱: 宅地建物取引士
「宅地建物取引士」とは不動産業を営む上でなくてはならない国家資格で、宅地建物取引士として仕事をするには国や都道府県の免許が必要です。
(以前は「宅地建物取引主任者」と呼ばれていましたが、法改正により「宅地建物取引士」に変更になりました。)
住宅など不動産の売買の際の「重要事項の説明」は宅地建物取引士だけに許されている業務です。
●重要事項の説明とは
・不動産の所有者と契約者
・地目の説明
・抵当権について
・土地の面積
・都市計画法関連
・建築基準法に関すること
・私道に関すること
・上下水道に関すること
などを説明し、図面の説明を行います。
また取引に関して
・クーリングオフに関すること
・違約金に関すること
・代金の支払いに関すること
などを説明します。
重要事項の説明|内容はしっかりメモを取ろう
重要事項説明の際には筆記用具を用意し、きちんと内容をメモしておきましょう。後で質問をしたり、内容を確認する場合に役立ちます。
重要事項説明のチェックポイント
□買主(自分)の氏名と売主(業者)の名称が正しいかどうか
□宅地建物取引士の氏名と実際に説明している人が同じかどうか
□物件の概要……建物の住居表示(住所・番地)、構造(木造瓦葺2階建など)、床面積が合っているかどうか
□登記記録……土地・建物の登記が登記簿謄本と合っているかどうか、抵当権はどうなっているのかを確認します。
□都市計画法と建築基準法による制限……都市計画法では、土地の「区域」には市街化区域、市街化調整区域、それ以外の区域が設けられています。また、建築基準法では用途地域によって建物の用途や建ぺい率、高さ制限が設けられています。希望する建物が建築可能かどうかをチェックします。
□敷地と道路の関係……道路の種類、幅などをチェックします。
□水道・ガス・電気関係の整備状況
□取引に関する内容……手付金、固定資産税・土地計画税積算金など代金以外に授受される金額が合っているかどうか
□契約の解除に関する内容……手付金が戻らないことや違約金に関して、業者と話しあった内容と合っているかどうか
□金銭の貸借に関する内容……借り入れる住宅ローンの内容と合っているかどうか
□瑕疵(かし)担保責任について……住宅に欠陥(瑕疵)があった場合の対応について書かれているかどうか
などをチェックしましょう。
さらにマンションを購入する場合は、「共有部分に関する規約の定め」や「専用部分に関する規約」、「修繕積立金に関する事項」「管理に関する事項」などの説明も含まれます。いずれも重要なことばかりなので、しっかり確認をしておきましょう。
メモ:書類のコピーをもらって、内容を予習しておこう
重要事項の説明には、上記のように法律用語や専門用語がたくさん出てきます。初めて耳にする言葉も多くあります。
説明を誤解することなく正しく理解するためにも、重要事項の説明を受ける前に書類のコピーを受け取り、わからない言葉を調べておきましょう。
良い業者は、安心感を与えてくれる
重要事項の説明時の姿勢や対応で、その業者の姿勢がわかります。
- 説明を省略しようとする
- 「別紙参照のこと」と書いて重要事項説明書に具体的なことが記載されていない
- 「わからないところはありませんか?」といった配慮がない
こういった姿勢の業者は信頼度が低下してしまいます。
一方、いい業者というのは
- 説明がていねい
- どんな質問にも誠実に答えてくれる
- 資料を準備している
など、買主に安心感を与えてくれます。
ただ、業者は本来はわかりやすく説明し、不明点や質問にはていねいに答えるのが基本です。質問することは悪いことではないので、遠慮せずに聞いて理解を深めましょう。
分からないことは、何でも質問しよう!
重要事項の説明をする宅地建物取引士は専門用語に慣れているため、説明を聞いている相手が質問をしないと「理解している」と受け止めてしまいます。
疑問点はその場で解決しておかないと、あとで「その話は聞いていない」「これはそういう意味だったのか」とトラブルになりかねません。知ったかぶりや「聞くのが恥ずかしい」と遠慮せずに、積極的に質問しましょう。
また、後々のトラブルを避けるためにも、事前に専門用語は調べておく、自分が購入する物件の資料をよく見ておく、説明時に疑問点はすべて聞いておくといったことが大切です。
まとめ|分からないことは、業者にどんどん質問しよう!
重要事項の説明は自分が購入する物件に関する大切な内容ばかりです。
重要事項説明書の記載内容に間違いがないか、しっかり確認しながら説明を受けましょう。
なお、専門用語や不明点は事前に調べておくと、当日質問がやりやすくなります。また、その場で聞いたことはしっかりメモを取っておき、帰ってから復習することをおすすめします。
その場で、また後日にでもわからない点は積極的に質問して、あいまいなままにしないことが大切です。