入居までの流れ|いよいよ、マイホームの引き渡し!
マイホームの残金を支払ったら、いよいよ建物の(マンションの場合は部屋)引き渡しが実施されます。
引き渡しとは、「実質上の所有者」に所有権を引き渡すことを指します。引き渡しの際には、鍵のほか確認書類のやり取り、分担金や諸経費なども精算されます。
本記事では、マイホームの引き渡しの流れや、必要な手続き、どのような書類や費用が必要なのか詳しく説明しましょう。
この記事でわかること
マイホームの引き渡しとは?
マイホームの引き渡しとは、物件の残金をすべて払い終わって登記が完了した後で家の鍵をもらうことです。
具体的な内容については次項で詳しくご説明しますが、引き渡しが済むといよいよ自分の家になります。
多くの場合は
A:住宅ローンの融資の実行
B:残金の支払い
C:登記の所有権移転登録(新築住宅の場合は所有権の保存登記)と抵当権設定
D:引き渡し
この4つが同じ日に行われます。
住宅ローンで知っておきたい用語㉓: 所有権
不動産における「所有権」とは「土地・建物を所有する権利」のことです。
所有権を持つ人は自由に使用、収益、処分ができます。
ただし、自由に使用や処分ができると言っても、高層建築を建てて周辺の家の日照権を奪ったり、建築基準法・都市計画法を無視して建てたりすることはできません。
また所有権を持つと固定資産税や都市計画税を納める義務が生じます。
引き渡しに必要な手続き|書類・鍵・精算のやりとり
引き渡し時にはただ鍵を受け取るだけでなく、いくつかの書類や費用が必要になります。
引き渡し時に必要な書類
引き渡し日に登記の手続きも行われるため、次の書類が必要になります。
- 印鑑証明書
- 住民票
- 委任状
なお、登記に関する手続きは司法書士が行います。事前に何が必要か聞いておきましょう。
引き渡し時に必要なお金
引き渡し当日に残金の支払いを行いますが、通常は住宅ローンの融資の実行が行われ、買主の口座に大金が振り込まれます。これを自分で引き出して売主の不動産業者に手渡すのではなく、自分の口座から売主の口座にすぐに資金が移動します。
物件費用の流れ
金融機関から融資の実行がある(住宅ローンで申し込んだ金額が自分の口座に振り込まれる)
↓
自分の口座から売主(業者)の口座に資金が移動する
これで残金の支払いが完了します。
それ以外には、次の費用が必要です。
- 登記に関する費用(登録免許税・司法書士への報酬)
- 諸費用
- (マンションの場合)管理費・修繕費
- 固定資産税、都市計画税の清算金
なお、引き渡し時には印鑑も必要になります。
事前に業者に何が必要かを確認しておきましょう。
メモ: 所有権移転登記は、どのような時に行われるのか
土地・建物はその土地(物件)の所在地や面積とともに所有者を法務局に届け出ます。これを「登記の記録」と呼び、記録されたものを「登記簿」と言います。
登記簿に記載された人がその不動産の所有権を持ち、売買や建物の建築などが行えます。
所有者が変わる場合は「所有権移転登記」を行います。
所有者が変わる場合とは
・売買
・相続
・贈与
などがあります。
親が死亡したときに土地や家の登記を変更せずにそのままにしているケースがありますが、必ず所有権移転登記を行いましょう。
引き渡しに、必要な書類と費用
では具体的にどんな書類をやりとりするのか、費用はいくらくらい必要なのかを詳しく解説します。
引き渡し時に行う書類のやり取り
A:業者から受け取る書類
- 付帯設備表
- 各設備の保証書と取り扱い説明書
- 物件状況確認書
- 各設備のメンテナンスの連絡先
- 建築確認申請書の副本
- 建築工事完了引渡証明書
- 完了検査済書(間に合えば)
- 設計図面
B:司法書士に渡す書類
- 住民票
- 印鑑証明書
- 委任状
これらのやりとりをして、業者から設備の使い方説明や工事完了の説明、保証期間や故障の際の連絡先などの説明を受けて書類に印鑑を押します。
引き渡し時に支払うお金
A:登記に関する費用
- 登録免許税……固定資産税評価額の1~3%程度
- 司法書士への報酬……2万円~13万円程度
- 不動産取得税……固定資産税評価額の2%程度
- 固定資産税・都市計画税の精算金……固定資産税と都市計画税は1月1日時点の所有者に課税されます。年の途中で所有者が変わる場合は、所有日以降の税金を日割り計算で売主と買主が折半して負担します。
B:購入に関する費用(まだ支払いが終わっていない場合)
- 事務手数料……3万~5万円または借入額の1~3%前後程度
- 火災保険料……保険金額の0.2~4%程度(一括の場合は50万円程度)
- 印紙税……1万~6万円
など
C:マンションの入居に関する費用
- 管理費(引き渡し日からの管理費を日割り計算で支払う)
- 修繕費(マンションによって異なるので事前に確認が必要。最近は引き渡し時に30万円などまとまった額を求めるケースが増えています。)
引き渡しで注意したいポイント|設備の使用方法をしっかり聞く!
引き渡し日以降は引越しで実際に住むことになります。そのときに困らないように、設備の使い方などを詳しく聞いておきましょう。
引き渡し時のチェック項目
1.設備の使い方
- キッチン
- 浴室・給湯器・シャワー
- トイレ
- 洗面所
- 鍵やドア、窓の開閉
など
2.設備の取り扱い説明書
各設備の取り扱い説明書があるか、すべて確認します。
3.各設備の保証書とアフターサービスの連絡先
保証書には日付が記入されているか、アフターサービスの連絡先が明記されているかを確認します。
4.設備に不備がないか
水やお湯が出るかどうか、すべての電灯がつくかどうか、コンロの火がつくかどうか、水もれがないかどうかをチェックします。
5.傷や汚れがないかチェック
引き渡しまでに内覧会などで事前に見ていても、それ以降に傷や汚れができていないかをよく見ておきましょう。
気になる点があれば修繕してもらいます。
引き渡し時には傷や汚れ、不備がないかチェックすると同時に使い方をしっかり聞いておきましょう。
器具の使い方だけでなく、家の日ごろのメンテナンス方法を聴いておくことも大切です。
- 換気の方法
- 排水口の掃除の方法
などのお手入れ方法を聞いておきましょう。
また、定期点検はいつあるのかといったことも聞いておきましょう。
まとめ|引き渡しの際には「不具合がないか」最終チェックしよう!
引き渡しはいよいよマイホームを手にする瞬間です。
気分がウキウキしますが、書類の確認、残金や諸費用の支払い、住まいの最終チェックなどをしっかりしておきましょう。
特に傷や汚れは入居後に申し出ても、「住んでからできた傷なのでは?」と思われる可能性があります。
不備は引き渡し時にしっかりチェックして修繕が必要なら直してもらいましょう。