住宅ローンの悩みは、行政書士・司法書士に相談しよう!
土地や建物など、登記の問題は、プロに相談をしてトラブルを解消しましょう。
本記事では、行政書士と司法書士に相談する場合の費用、相談できるテーマ(問題)のほか、良い相手や(行政書士・司法書士の所属する)事務所の選び方について詳しく説明します。
この記事でわかること
行政書士・司法書士の役割について
行政書士も司法書士はどちらも法律に関する書類を作成するのが仕事ですが、作成する書類の種類や担当する仕事の内容が異なります。
行政書士はその名の通り、行政に提出する書類の作成を行います。
一方、司法書士は暮らしの法律に関するトラブルの解決やアドバイスなどを行います。
住宅ローンに関しては司法書士が不動産登記を行います。
また、売買契約に関してトラブルがある場合も司法書士が相談に乗ってくれます。
ちょっと複雑なのですが、住宅ローンを借りたり、借り換えをしたりするときに
A:抵当権の設定や抹消を行うのは司法書士
B:抵当権設定契約書の作成をするのは行政書士
の業務になっています。
住宅ローンで知っておきたい用語No.60: 第一順位の抵当権
抵当権とはお金を借りるときに担保にする物件に設定するもので、もし返済ができない場合は担保を返済金の代わりとして取り上げられます。
「絶対きちんと返します」と言っても、銀行など金融機関は口約束ではお金を貸してくれません。「万が一、返済できないときはどうするのか」をきちんと決める必要があります。
そのために借入金と同等の価値があるものを担保にし、それを明確にするのが抵当権設定登記です。
もし返済できない場合、抵当権を設定した家は競売にかけられます。売却したお金を真っ先に受け取るのが「第一順位の抵当権者」で、住宅ローンの場合は融資をしている銀行が該当します。
他にも借金がある場合は第一順位の抵当権を持つ人から順に売却金が渡されますが、売却金が少ない場合は第二順位以下の人にまでは渡らないということになります。
専門家に相談する場合の費用は?
司法書士や行政書士の報酬は相談内容や案件ごとに料金が決められているわけではなく、各司法書士・行政書士が自由に決められるようになっています。
司法書士の料金の相場の一例をご紹介すると、次のようになっています。
- 売買による所有権移転登記と売買契約書の作成…約35,000円~5万円
(面識のない登記義務者(売主)の本人確認情報の作成、登記原因証明情報(売買契約書等)の作成及び登記申請の代理をした場合…約5万円~8万円) - 贈与による所有権移転登記…平均約4万円
- 相続による所有権移転登記…平均約5万円~6万円
- 所有権保存登記…約2万円
- 抵当権設定登記…約3万円~4万円
- 抵当権抹消登記…約15,000円
(面識のない登記義務者の本人確認情報の作成、登記原因証明情報(金銭消
費貸借契約書等)の作成及び登記申請の代理をした場合…約5万円~7万円
(日本司法書士連合会のアンケートより)
行政書士の料金は契約書作成の目安が3万円程度となっています。
メモ:行政書士と司法書士の違い
行政書士と司法書士はよく似ていますが、取り扱い業務は下記のような違いがあります。
行政書士 | 司法書士 | |
---|---|---|
管轄官庁 | 総務省 | 法務省 |
具体的な仕事内容 | ① 官公署に提出する書類 ・各種許認可に関する書類の作成、相談 |
① 登記に関する仕事 ・不動産登記 ・会社の登記(商業登記) |
② 権利や義務に関する書類 ・遺産分割協議書 ・遺言書 ・賃貸、請負、委任、賃貸借、売買、贈与などの各種契約書の作成 ・示談書、嘆願書、内容証明などの作成 |
② 企業の法務に関する仕事 ・コンプライアンス(法令遵守のアドバイス) ・会社の法的文書の整備 など |
|
③ 事実証明に関する書類 (各種議事録、会計帳簿など) |
③ 裁判に関する書類作成 ・損害賠償請求 ・家賃や敷金の未納に関するトラブルの裁判 ・賃金に関する裁判 (平成15年4月からは簡易裁判所での訴訟代理業務が認められています) |
良い行政書士・司法書士の選び方
行政書士、司法書士ともに専門性が問われる仕事で、取り扱う業務内容が多岐にわたります。そんな中で相続問題に強い人、離婚問題に詳しい人、借金返済に強い人など得意分野が分かれています。
特に住宅ローンや住宅所得に関する業務を依頼する場合は、住宅ローンや不動産登記、抵当権設定に詳しい人を探すようにしましょう。
最近は行政書士と司法書士の両方が在籍している事務所が多くあります。そういったところなら1度の相談ですべてが解決するのでおススメです。
行政書士、司法書士以外にファイナンシャルプランナーや税理士、不動産鑑定士が在籍しているところなら住宅売買に関しての相談がスムーズに進みます。
行政書士・司法書士に依頼する際、注意すべきポイント
一般の人は普段の生活で行政書士や司法書士のお世話になる機会は少ないのではないでしょうか。そのため、インターネットで探す場合はホームページの見栄えやアピールしている強みなどに目を引かれてしまいます。
「検索したときにトップに出てくるところなら安心」
「大きそうな事務所だからいいだろう」
と受け止める傾向があります。
しかし、重要なのは知名度や事務所の大きさではありません。
本当に親身になって相談に応じてくれるところを探すようにしましょう。
実際に利用した人の口コミを参考に、解決事例なども見ながら選ぶことが大切です。
料金設定が不明確ではないか、高額過ぎないかといった点もチェックすると安心です。
まとめ|プロを味方に付けて、住まいの問題を解決しよう!
住宅取得にはさまざまな書類の作成や届け出、登記など専門的な知識が必要になります。
そういった業務を行っているのが行政書士や司法書士です。不動産売買で何か問題が起こった場合でも相談に乗ってもらえます。それぞれの役割の違いをよく理解して、頼れる専門家を味方につけるようにしましょう。