あなたの年収は大丈夫!?住宅ローン審査可決のボーダーライン
住宅ローンで必要な融資を受けるには、借入希望額に対して、無理なく返済できるだけの「十分な所得」が無ければなりません。審査を可決されるには、先に「借りられる金額」を知り、希望額を設定してから審査を受ける必要があります。
本記事では、借入希望額と審査可決のボーダーラインについて説明しましょう。
この記事でわかること
審査が可決される、年収のラインについて
住宅ローンが申し込めるのは、
- 借入時の年齢が20歳以上71歳未満
- 勤続年数が1年(金融機関によっては6ヶ月)以上あること
- 年収が100万円以上あること
- 健康であること(団体信用生命保険に加入できること)
などの条件があります。
さらに融資額は最低200万円以上から可能です。ただし、上限に関してはその人の年収と融資額(返済額)の割合で決められます。
「いくらまで借りられるのか?」は返済負担率で計算する
「自分の年収なら一体いくらまで借りられるのだろうか」というのは気になるところです。
ただし、「この年収なら○○万円まで融資可能」といった基準があるわけではありません。融資可能額を決めるのは、年収と返済のバランスです。
年収に占める返済額の割合を「返済負担率」といいます。
金融機関によって多少の違いはありますが、おおむね以下のようになっています。
年収 | 返済負担率 |
---|---|
250万円未満 | 25% |
250万円以上400万円未満 | 30% |
400万円以上 | 35% |
これを元に融資可能額を計算してみましょう。
年収が300万円の場合、返済負担率は30%です。
300万円×30%=90万円
となり、年間90万円の返済分まで可能ということになります。
毎月の返済額に計算しなおすと75000円です。
ただし、この計算には利息分が含まれていません。金融機関が融資可能額を計算する場合は、金利4%で計算されることが多いので下記の早見表で見てみましょう。
下の表のように、年収300万円の人が金利4%で35年返済で借りる場合は1,693万円まで可能ということがわかります。
購入したい物件が2500万円の場合は、不足する約1000万円を頭金で準備するとか、ペアローンを組むなどの対策が必要です。
返済負担率/年収 | 300万円 | 400万円 | 500万円 | 600万円 |
---|---|---|---|---|
25% | 1,411 | 1,882 | 2,352 | 2,823 |
30% | 1,693 | 2,258 | 2,823 | 3,387 |
35% | 2,636 | 3,293 | 3,953 |
同様に計算すると、年収400万円の人は返済負担率が35%なので2,636万円まで、年収500万円の人は3,293万円まで融資可能ということになります。
ただし条件はこれだけではないので、あくまでも目安ということで検討されるといいでしょう。
住宅ローンで知っておきたい用語㊵: ペアローン
ペアローンとは、1つの物件購入代金を夫婦または親子などの家族でそれぞれに申し込むものです。
(例)4000万円の物件
夫…3000万円の住宅ローン
妻…1000万円の住宅ローン
をそれぞれ同じ金融機関に申し込みます。
条件としては最低500万円以上を借りること、安定した収入があることなどがあります。
ペアローンはそれぞれが住宅ローン控除が受けられるというメリットがありますが、事務手数料などの諸費用が2倍かかるというデメリットもあります。
ペアローンの特徴をまとめると、以下のようになります。
夫 | 妻 | |
---|---|---|
契約者(主債務者) | ○ | ○ |
住宅ローン控除 | あり | ○ |
団体信用生命保険の加入 | あり | あり |
事務手数料など諸費用の負担 | あり | あり |
物件の所有権 | あり | あり |
連帯保証人 | 妻 | 夫 |
それぞれが団体信用生命保険に加入するので、もし上記の例で妻が死亡した場合は妻が借りた1000万円分は保険金で支払われます。
ペアローンは住宅ローンに夫婦(または親子)がそれぞれに契約するものですが、同一金融機関の同じ支店で申し込むという条件があります。
契約に際してはメリットとデメリットをよく考えるようにしましょう。
所得とバランスの良い借入額について
住宅ローンの借入は年収と返済のバランスをよく考えることが重要ですが、自分で計算するのは複雑で難しいものです。
そこでシミュレーションツールを使ってみましょう。
フラット35のローンシミュレーションコーナーでは年収から借入可能額を計算することができます。
ぜひやってみてください。
審査が否決される理由は、コレだ!
特にクレジットカードやローンの利用がなく、何かの返済が遅れているわけでもないのに審査が否決されたとしたら、年収に対して借入可能額が超えていたのかも知れません
もし思い当たることがないのに審査に落ちた場合は、借入希望額を下げてみましょう。
また、そうならないためにも、申し込み前には希望額をよく検討することが大切です。
年収の多さだけでなく、他社借入の状況も審査に影響する…!
審査では「返済負担率」が重要視されます。たとえ収入が多くてもクレジットカードでの買い物が多かったり、高額な自動車ローンの残金が残っていたりすると「返済負担率」が高くなり、審査が通らなくなります。
特に何枚ものカードを使っている人は
- 借入件数が多い
- 多重債務者
とみなされて審査では不利になります。
申し込み前に少しでも返済してカードの利用額を減らしておきましょう。
まとめ|年収に合わせて、借りられる金額を知っておこう
住宅ローンの審査を無事に通るには、年収の額だけでなく他のローンの返済額や融資希望額とのバランスが大切です。
無理のない設定で確実に審査が通るようにしましょう。