こんな人に融資したい! 金融機関から「良い債務者」として、お墨付きをもらうコツ!
住宅ローン審査は、他のローンと比べて審査が厳しく「傾向と対策」を立ててから、申し込みをする必要があります。
金融機関から、住宅ローンを借りるには、(自らに)支払い能力があることを証明し「こんな人に貸したい」と思わせることが重要です。本記事では、銀行などの金融機関から「良い債務者」としてお墨付きをもらうコツを紹介しましょう。
この記事でわかること
住宅ローンの「良い債務者」とは
貸す方から見れば「多く借りてくれて、きちんと返済してくれる人」が「良い債務者」になります。
例えば次の2人の場合、どちらが「良い債務者」だと言えるでしょうか?
Aさん(独身):
非正規雇用で工場勤務。今は毎月25万円前後の収入があるが、将来も同じ仕事が続けられるかは不明。
独身だが車が好きで、300万円で買った車のローンが残っている。時々返済が遅れ、携帯電話の支払いも遅れることがある。
現在はアパート暮らしだが、近々結婚するので中古マンションを購入したいと考えている。
Bさん(独身):
大学卒業後は地方公務員で勤続8年目。年収は約400万円程度。現在は親と同居なので生活費を家に入れる程度。毎月の収入から手堅く貯金している。
クレジットカードはあるがリボ払いではなく、そのつど一括払いで返済している。支払いの遅れはない。
近々結婚するため、新築マンションを購入したいと考えている。
このAさんとBさんなら、どちらが「良い債務者」かは一目瞭然ですね。
年収だけでなく貯金の有無や勤続年数、勤め先(雇用形態)、他社の借入状況などを総合的に見てBさんの方が安心できると言えます。
住宅ローンで知っておきたい用語㊶: 連帯債務
1つの契約に対して夫婦それぞれが債務者となることを言います。
例えば4000万円の借入をする場合、夫が3000万円の債務を負い、妻が残り1000万円の債務を負うということではなく、夫婦がともに4000万円の債務を負うのが「連帯債務」です。
夫の年収だけでは審査が通りにくいという場合に、妻の年収を合わせて審査を申し込む「収入合算」のときに連帯債務で借りることができます。
(ただし、フラット35など限られた金融機関でしか取り扱いをしていません。)
連帯債務は住宅ローン控除を2人とも受けられるのがメリットです。ただし、団体信用生命保険の加入は主たる債務者(多くの場合、夫)になるので、妻が死亡や高度障害を負った場合は債務はそのまま残るので注意が必要です。
お墨付きをもらうためのポイント
金融機関から「お金を貸しても大丈夫!」というお墨付きをもらうには、自分の信用度を高めること、つまりスコアリングを高めることが重要です。
ただし、スコアリングを高めることは一朝一夕ではできません。
- 何度も転職をせずに勤続年数を長くする
- 返済遅延がないようにする
- 何枚もクレジットカードがある場合は、よく使うものだけを残して他は解約する
- 返せるローンは速やかに返済する
などの努力が大切です。
メモ:スコアリングで重視されること
住宅ローンに限らずクレジットカードの申し込みや自動車ローンの借入時などにも、その人の「与信」を審査します。
与信とは「この人には貸しても大丈夫」と信用できること(信用を与えること)を指します。
その与信調査のときに使用されるのが「スコアリング」です。
お金を貸してもいいかどうかをさまざまな点で調査して判定を出します。
審査項目には、次のように多くのものがあります。
・年齢
・家族構成(独身か既婚か、子どもの有無など)
・住居形態(持ち家か借家か、持ち家の場合は所有者は誰か)
・勤務先・勤続年数
・年収
・他社での借入状況(件数・金額)
・返済遅延の有無
これらを総合的に判断して「どれくらい貸しても大丈夫か」を判断します。
支払い能力を高めるコツは、管理能力にあり!
クレジットカードは手元に資金がないときでもほしいものが手に入る便利な道具です。ただ、それだけについ使い過ぎてしまう傾向があります。
しかし、クレジットカードやキャッシングの機械は決して「打ち出の小づち」ではありません。「借金」であり、高い利息をつけて返済しなければならないのです。
それをよく考えて、日ごろからお金の管理をしっかりとするようにしましょう。
特に何枚ものカードを所有している人は、知らず知らずのうちに「多重債務者」になっています。
今、どのカードの残高がどれくらいあり、毎月いくら返済すればいいのか、また全部返すにはいくら必要なのかを把握していますか?
住宅ローンという高額の借入をする場合は、こういった日々の細かいお金の出入りをきちんと管理する能力を身につけることが大切です。
債務問題が解決できない時には、専門家に相談しよう
もし借金の問題が解決できない場合は、自治体で実施している無料の法律相談などを利用してみましょう。
また、国民生活センターにも多重債務の相談窓口があります。
こちらからお住まいの地域の相談窓口が調べられます。心配な方は利用してみましょう。
相談するときは
- クレジットカードやキャッシングの借入がどれだけあるか明細書を持参する
- 毎月の返済額がどれくらいなのかを明確にしておく
といったことが必要です。
そのため、恥ずかしくても隠さずにすべてを出して相談しましょう。
一部分を隠して相談しても、スムーズな解決にはなりません。一度問題をクリアにして、自分自身でも見つめ直すことが大切です。
まとめ|お金の問題をクリアにして「融資される人物」へと成長しよう
住宅ローンは高額な融資を受けるだけに、審査は厳しくなります。
まずは自分自身のお金の問題をクリアにして、金融機関から信頼される人への成長していきましょう。