カンタンにできる! 確定申告 & 控除申請のコツ
マイホームの購入後、翌年には確定申告が必要になります。ここで手続きをしておくと、納めた税金の一部が還付してもらえ「住宅ローン減税」が適用されます。
本記事では「住宅ローン減税のため」確定申告をする方法や、還付手続きの流れについて説明します。
この記事でわかること
住まいの購入で必要な確定申告の仕組み
住宅ローンを利用して住宅を購入した人は、年末の住宅ローン残高の1%が所得税から控除されます。これを「住宅ローン減税」といいます。
住宅ローン減税を利用するには、入居した翌年の1月1日~3月15日までの間に確定申告を行います。サラリーマンの場合は確定申告は1年目だけで、2年目以降は年末調整で手続きができます。(自営業や個人事業主の場合は毎年確定申告が必要です。)
【年末調整とは】
本来、所得税の申告と納税は確定申告で行いますが、会社員(公務員など給与所得者)は毎月の給与から源泉徴収しています。そして12月の給与で納税額を調整して、不足があれば徴収し、多く徴収した分は還付されます。
これを「年末調整」といい、確定申告をすることなく納税が終了します。
【住宅ローン減税の申告で必要な書類】
住宅ローン減税の申告をするには、以下の書類が必要です。
必要な書類 | 入手先 |
---|---|
住民票の写し | 市区町村役場 |
不動産売買契約書(請負契約書)の写し | 不動産会社など |
住宅取得資金に係る借入金の融資額残高証明書 | 金融期間 |
家屋・土地等の登記事項証明書(全部または一部) | 法務局の出張所 |
源泉徴収票 | 勤務先 |
確定申告書 | 税務署 |
住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 税務署 |
住宅ローンで知っておきたい用語㉙: 確定申告とは?
確定申告とは前年の1月1日~12月31日までの所得に対して所得税と復興特別所得税の額を申告して納税することをいいます。
所得には「利子所得」や「配当所得」「事業所得」「一時所得」などがありますが、会社員の給与所得は年末調整を行っているので確定申告は不要です。
一方、税額の控除が受けられる場合は「還付申告」を行います。
還付申告ができるのは「医療費控除」(1年間で一定額以上の医療費を支払った人)、「雑損所得」(台風や地震などの災害や盗難などで被害を受けた人)、「住宅ローン減税」などがあります。
住宅購入で適用される「控除」の具体的な金額は?
住宅ローン減税が受けられるのは、
①一般住宅は4000万円まで
②長期優良住宅は5000万円まで
が対象です。それ以上の価格の物件の場合は最大4000万円(長期優良住宅は5000万円)が上限になります。
控除額は1%なので
4000万円×1%=40万円
が控除、つまり税金が戻ってきます。
住宅ローン減税は10年間受けられるので、最大で400万円が戻ってくることになります。
なお、住宅ローン減税は
- 住宅の新築・購入
- 住宅を取得するために購入した土地
- 一定の増改築
が対象になります。
メモ:確定申告の時期は、いつから受け付けているの?
確定申告は毎年2月16日~3月15日に受け付けていますが、還付申告は1月から申告が可能です。また、3月15日以降でも受け付けていますが、なるべく早くに済ませておきましょう。
確定申告 & 控除を申告する方法
確定申告をするには、まず必要な書類をそろえます。
- 住民票→市区町村の役場
- 登記事項証明書→法務局
この2つは自分が出向いて取得します。
- 不動産売買契約書(請負契約書)の写しは、手元にある契約書をコピーして提出します。
- 住宅取得資金に係る借入金の融資額残高証明書は金融機関から送られてきます。
- 源泉徴収票は会社が発行します。
- 確定申告書と住宅借入金等特別控除額の計算明細書は税務署でもらう方法と国税庁のホームページからダウンロードして印刷する方法があります。
国税庁 確定申告書作成コーナーを参照ください。
国税庁のホームページには書き方が掲載されていますが、確定申告をしたことがない方にとっては難しく感じることがあります。
その場合は税務署に行って説明を受けながら記入して、すべての書類と一緒に提出すれば申告が完了です。
なお、住宅ローン減税の確定申告は税金が戻ってくる「還付申請」なので、1月から申告が可能です。早く行けば税務署は空いているので手続きが早く終わります。
確定申告は、インターネットからも手続き可能!
住宅ローン減税の確定申告はインターネットからでもできます。
国税庁 確定申告書作成コーナーの「申告書・決算書・収支内訳表等 作成開始」ボタンを押して、先に進みます。
書面で提出する方法とe-Taxで提出する方法があります。
A:書面で提出する方法
画面の通りに進み、必要事項を記入します。書き方や用語説明のページもあるので、見ながらやってみましょう。
すべて記入したら用紙をプリントアウトします。もし自宅にプリンターがない場合はコンビニのプリントサービスを利用することもできます。
B:e-Taxで提出する方法
画面の通りに記入していきます。間違いがないか確認しましょう。
e-Taxはインターネットから申告する方法ですが、ICカードリーダライターが必要です。2,500円~3,500円程度で家電量販店などで販売しているので、購入しておきましょう。
ICカードリーダライターは公的個人認証サービスに対応したもので、お使いのパソコンに対応したものを選びます。
これでネットからの確定申告が可能です。
ただし、住宅ローン減税の確定申告には郵送する書類があります。e-Taxで申告しても、結局郵送するものがあるので、確定申告書と一緒に郵送してもいいでしょう。
まとめ|初めてでも確定申告は簡単「マイホーム減税」を受けよう
住宅ローンを利用してマイホームを購入したときは、購入の翌年から10年間、「住宅ローン減税」として控除が受けられます。
そのためには入居した翌年の3月15日までに確定申告をする必要があります。
確定申告は必要な書類をそろえて、確定申告書に記入して税務署に提出すれば完了です。
初めての人でもスムーズに手続きができるように国税庁のホームページに説明があります。また、税務署に行って教えてもらいながら記入することも可能です。
住宅ローンの残高の1%(4000万円の場合は40万円)が戻ってきますので、ぜひ確定申告をして払い過ぎた税金を取り戻しましょう。