新築物件の最終チェック「設備・使用方法・施工」
注文していた建物が完成したら、最後に設備や使用方法、施工状況をチェックしましょう。最近では、欠陥住宅の問題や手抜き工事のトラブルが多発しています。これから住む家に問題が無いか、厳しい目で確認を行ってください。
この記事でわかること
新築物件の最終立ち会いについて(目的)
注文住宅や新築マンションを購入する場合は、引き渡しの前に「最終立ち会い」が行われます。最終立ち会い会は「内覧会」とも呼ばれますが、実際に入居する前に完成した住まいの状態を確認するのが目的です。
注文住宅の場合は工事中に何度も現場を見に行って構いません。
工事の途中でも気になるところがあれば現場監督や購入業者に質問して確認をしておきましょう。
そして、最終立ち会いでは工事の不備や設備などの不具合などがないかどうかの最終確認を行います。
新築マンションでも入居前に内覧会や立ち合いを行います。
最近は工事を請け負った業者は販売業者ではない第三者の建築士などが立ち会って不具合がないかどうかを専門家の目でチェックするケースが増えています。
素人ではわからないところをプロの目で見てもらえるので安心です。
住宅ローンで知っておきたい用語㊾: 火災保険
火災保険は自分が住む家とその中にある家財に対してかける保険のことです。
名前は「火災保険」ですが補償の対象となるのは火災以外にも多くのものがあります。
・火災
・落雷
・破裂・爆発
・風害・雪害・ひょうによる被害
・水害(床上・床下浸水などによる被害)
・物体の落下や飛来などによる損害
・水漏れ
・騒じょうや集団行動などによる暴力行為
・盗難による破損や損傷など
(補償内容は保険会社や保険商品によって異なります)
なお、火災保険は建物だけが対象です。
家具や電化製品などの家財に対しては補償の対象外なので、「家財保険」を一緒に加入する必要があります。
ただし、畳やふすま、洗面台、浴槽、流し台、門、塀、ガレージなどは「建物」に含まれます。
火災保険の保険料は
・築年数
・家の構造
・広さ
・地域
などによって異なります。保険会社で見積もりを取ってみましょう。
最終立ち会いで注意すべきポイント
最終立ち会いで不具合が見つかれば、入居(引き渡し)までに修理してもらうことが可能です。
実際に入居してしまうと大規模な補修や工事は難しくなるために、特に次の点をチェックしておきましょう。
電気関係 | ・電灯がすべてつくか ・コンセントの位置は間違っていないか ・灯りがドアなどで遮られないかなど |
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水まわり | ・水道がきちんと出るか(台所・洗面所・浴室・トイレ・洗濯機など) ・シャワーの出が悪くないか ・水もれがないか |
内装 | ・クロスに傷や汚れ、たるみがないか |
床 | ・傷がないか ・傾きがないか |
設備 | ・給湯器・食器洗い乾燥器・インターフォン・床暖房・換気扇などが正常に動くかどうか |
扉や建具 | ・ドアの開閉がスムーズか、すきまがないか ・建具の立てつけに問題がないか など ・ドアや建具は部屋だけでなくクローゼットや押入れも確認すること |
カーテンレール | ・傾きがないか、しっかり取り付けられているか |
チェック項目は家の中のあらゆる場所が対象になります。
時間がかかりますが、大切なマイホームなので時間をかけてていねいにチェックしていきましょう。
特に傷や汚れは入居してから業者に伝えても、「入居後にできた傷や汚れではないのか」と疑われて補修に応じてもらえない可能性があります。
必ず入居前に確認して、不具合があれば業者に伝えて補修してもらいましょう。
メモ:第三者検査とは何か?
第三者検査とは建築事務所などが購入者に代わって最終立ち会いの検査を行うことをいいます。
検査対象には、次のようなものがあります。
A:屋外部分の検査
・ガレージ
・門や塀
・ベランダ
・外壁
・基礎工事
・屋根・雨樋
など
(業者によって異なります。また、屋根には上がらずに地上からの目視検査になります。)
B:屋内の検査
・各部屋の床・壁・天井・ドアや建具・床下・屋根裏
など
C:設備の検査
・稼働する設備に対しての動作確認の検査
例えば床の傾きや壁のひび割れ、排水口の不備など素人ではわかりにくい箇所の不具合を調べてもらうことができます。
費用はかかりますが、引き渡し前に不具合がチェックできるので安心です。
欠陥・不良が見つかった場合の手続き
引き渡し前の最終立ち会いで欠陥や不良が見つかった場合は、保証期間内は無料で補修工事をしてもらえることになっています。
これは消費者(住宅購入者)を欠陥住宅から守るために設けられた制度で「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」といいます。
品確法には、次の3つがあります。
- 新築住宅の瑕疵(かし)担保責任に関する特例
- 住宅性能表示制度
- 住宅専門の紛争処理体制
特に最終立ち会いで欠陥や不良が見つかった場合は①の「新築住宅の瑕疵担保責任に関する特例」の対象となり、補修してもらえます。
対象となるのは基本構造部分(柱や梁など住宅の構造に関わる部分と雨水の浸入を防止する部分)で、10年間の瑕疵担保責任(修補請求権等)が義務づけられています。
基礎や床材、屋根、壁、柱などの構造に関するところや壁や屋根などからの雨水の侵入に対しては10年間は無料で修理をしてもらえます。
また、賠償請求も可能です。
ほかにもハウスメーカーや工務店が独自に設けている保証制度もあります。
良心的な業者や大手ハウスメーカーでは保証体制がしっかりしていますが、人の手で建築工事をする以上、悪意はなくても傷や汚れ、工事のミスなどは起こり得ます。
「大手だから安心」と思わずに、しっかりチェックしておきましょう。
補足:引き渡しまでに、何度も足を運ぶことが重要
住宅の購入残金を支払い、住まいが完成して入居を待つ段階の最終立ち会いで不具合が見つかるのはあまりいい気分のものではありません。
業者によっては欠陥を隠そうとするところもあります。
トラブルにならないように施工途中で何度も足を運んで現場を確認しに行きましょう。
たびたび顔を出すことで施工業者の担当者と親しくなり、質問がしやすくなります。
また、自分でもある程度の知識を持って現場確認をすることで、「この施主さんはチェックが厳しい人だ」と思わせる効果があり、工事を慎重に進めてくれることにつながります。
もし何らかの問題が発生して自分たちで解決できない場合は、各自治体にある「宅地建物取引業者保証協会」に相談してみましょう。
まとめ|施工や設備に納得できるまで、引き渡しは慎重に…!
最終立ち会いでもし納得できない部分があればそれをあいまいにせずに、図面と照らし合わせたり、第三者の検査機関にチェックを依頼したりして、問題点をクリアしておきましょう。
きちんと補修が終わってから引き渡しをすることが大切です。