二世帯、三世帯住宅が人気!|親と暮らす「第二の人生」
高齢化が進むと、親世代だけでなく、祖母・祖父母も長生きできる時代になりました。本記事では、二世帯・三世帯住宅に活用できるローンを紹介し、複数の家族が快適に暮らすコツや、メリットについて紹介しましょう。
この記事でわかること
二世帯・三世帯住宅「理想の暮らし方」とは
老親と子ども夫婦一家が一緒に住む「二世帯住宅」や「三世帯住宅」が見直されています。
特に子育て世代にとっては保育園になかなか入れない待機児童問題や小学校に入学すると下校時間が早く夏休みが長いなどの理由で母親が働けない「小1の壁」の問題などがあり、女性の就労機会が奪われるといった悩みがあります。
そこで親と同居することで子育てを助けてもらえる二世帯・三世帯住宅の良さが注目されているのです。
少子化対策としての効果も期待されています。
政府は平成28年度の税制改革で三世代住宅にするためのリフォーム工事に対して費用の一部を所得税控除の対象とすることを決定しました。
内容は次の通りです。
対象となる工事 | 多世帯同居に対応する改修工事で ・キッチンの増設 ・トイレの増設 ・浴室の増設 ・玄関を増設 の各工事で改修後の居住部分に上記のいずれか2つ以上が複数あること |
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対象となる期間 | 平成28年4月1日~平成31年6月30日までに居住する場合 |
投資型 (住宅ローンやリフォームローンを借りずに自己資金で改修する場合) |
・標準的な工事費用相当額(上限:250万円)の10%が減税される ・耐震工事やバリアフリー工事などを同時にする場合は上限が950万円まで(太陽光発電工事は1050万円まで)が対象になる ・減税は1年だけ |
5年ローン型 (5年以上のリフォームローンを組んで改修する場合) |
・対象となる工事費用の上限250万円までに対して借り入れ金の残高の2%が5年間所得税から控除される (ただし対象となる工事以外の改修費用に関しては1%が控除) |
住宅ローンで知っておきたい用語No.76: 三世帯同居
親世代とその子ども夫婦、そしてその子ども(親から見れば孫)世代と一緒に住むことが「三世帯同居」で、「三世代同居」とも呼ばれます。
特に最近は子どもを持つ若い世代が働けるように政府が三世代同居を支援する動きが出ています。
それが「三世代同居の住宅リフォーム減税(同居対応改修の所得税減税)」です。親世代に子育てを助けてもらいながら一緒に生活できるのがメリットです。
親側も加齢による病気や体力低下の際に若い世代が近くにいるということは安心材料になります。
かつては核家族化が主流でしたが、最近は二世代住宅、三世代住宅の時代になりつつあるようです。
親世代と暮らすことのメリット
親世代と一緒に暮らすことで子育て中の母親は帰宅時間を気にせずに仕事ができるというメリットや子どもをカギっ子にしなくてもいいというメリットがあります。
家族の誰かが家にいるということは子どもの精神面にも良い影響を与えます。
また、おばあちゃんの知恵を子どもが学ぶいい機会にもなりますし、若い母親の子育ての悩みを軽減するメリットも得られます。
一方、親にとっても「自分が役に立っている」という気持ちが若返りの効果や認知症予防につながりますし、高齢での体調の変化に周囲が早く気づくというメリットがあります。
さらに親を扶養家族にしていると1人あたり58万円の所得税控除があります。(70歳以上の場合)
また、親と同居して親の土地や家を相続する場合は「小規模宅地等の特例」の対象になり、240㎡までは評価額が80%減額されます。
メモ:2015年に与党がまとめた「与党税制改正大綱」とは
「与党税制改正大綱」とは政府与党が税制調査会を中心に税制のあり方を話し合ってまとめるものです。その結果を「税制改正法案」として通常国会に提案します。
2015年の「与党税制改正大綱」には次のような内容です。
・法人税の引き下げ
・賃上げの後押し
・住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の延長・拡充(非課税枠を1000万円から3000万円に拡充)
・NISAの拡充(年間投資上限額を100万円から120万円に引き上げ、ジュニアNISAの創設)
・ふるさと納税の拡充
・結婚・子育て資金の一括贈与に対して贈与税の非課税措置を創設
などが盛り込まれています。
二世帯・三世帯に役立つ住宅ローン
二世帯・三世帯住宅を購入(建築)するには、親子ローンがおススメです。
これは親子二世帯(孫を含めた三世代も可能)が同居することを条件に住宅の購入資金・新築資金や増改築資金として利用できるものです。
特に最近は20代、30代の若い世代の年収がなかなか増えません。一方、60代の親世代が住宅ローンを借りると返済期間が短くなるという心配があります。
そこで二世代(三世代)同居の住宅購入や増改築を前提に親子ローンを借りる方法があります。
親子が共同で借りて共同で返済するタイプと親が先に返済し70歳になった時点で子どもが返済を引き継ぐ「リレータイプ」があります。
金融機関によって取り扱いが異なるので相談してみましょう。
二世帯・三世帯が快適に暮らすコツ
親世帯と子ども世帯がひとつ屋根の下で何もかも共有するのは経済的ですが、価値観の違いなどからストレスが発生する可能性があります。
そこで、1階や親の居住スペース、2階、3階を子ども世帯で使うといった上下分離型にしたり、リビングは共有でもキッチン、浴室は別にする分け方など工夫をしましょう。
親世代のためにバリアフリーにしたり、浴槽を低くしたりといった配慮が大切です。
まとめ|三世帯の家族が仲良く暮らすには、皆の協力が必要!
三世代の家族が一緒に暮らすのはメリットもあれば大変さもあります。それをよく理解した上でみんなが協力して快適に暮らせるように努力していきましょう。