バリアフリー|高齢者が住みやすい、快適マイホームの購入
最近では、住まいの「バリアフリー化」が進み、若者からお年寄りまで、安全で快適に住める住環境が整いつつあります。
本記事では、高齢者が住みやすい家の特徴や、バリアフリー住宅に役立つ住宅ローンの種類、バリアフリーの定義について説明します。
この記事でわかること
高齢者が住みやすい家の特徴とは?
高齢になると体力や筋力が低下し、少しの段差でもつまずきやすくなります。
また、深い浴槽では出入りが難しく、浴槽の中で倒れたまま意識を失っていたというケースもあります。
高齢者が住みやすいのは
- 段差がない
- 手すりがある
- 階段や廊下がすべらない
- トイレや浴室が使いやすい
といったバリアフリーの家が理想です。
またこういった住まいは介護が必要になったときも、家族やホームヘルパーさんに手伝ってもらうときにやりやすいというメリットがあります。
住宅ローンで知っておきたい用語No.78: バリアフリー工事
バリアフリー工事と言ってもさまざまな種類があります。
① 介助用の車イスで移動できるための通路や出入り口の幅を広げる工事
② 階段の設置(既存の階段を撤去)または改良して勾配を緩和する工事
③ 浴室の改良(入浴の介助をするために浴室の面積を広げたり、低い浴槽に変えたり移乗台や踏み台を設置したりする工事)
④ トイレの改良
⑤ 居室やトイレ、洗面所、玄関などとそれをつなぐ経路に手すりをつける工事
⑥ 玄関、各部屋の段差をなくす工事
⑦ 出入り口の戸を引き戸や折り戸などに変える工事
これらのバリアフリー工事で費用が50万円を超える場合に、住宅特定改修特別税額控除が受けられます。(平成31年6月30日まで)
バリアフリー化に役立つ住宅ローンの種類
バリアフリーなどリフォームをするには費用がかかります。
その際には「無担保のリフォームローン」と「有担保の住宅ローン」の2つの方法があります。
ローンの種類 | 特徴 |
---|---|
リフォームローン | 融資額の上限は500万円~700万円程度 無担保なので金利が高い 返済期間は10年程度 審査がゆるい |
住宅ローン | 融資額の上限は5000万円程度まで可能 有担保なので家を担保にする(抵当権の設定が必要) 金利が低い 返済期間が長い 審査が厳しい |
なお、バリアフリー工事では次のような補助金や税金控除などが受けられます。
バリアフリー工事補助金
自治体によって実施内容や時期が異なります。
東京都では
千代田区 | 高齢者向け返済特例制度助成(要介護世帯がバリアフリー工事をする際に不動産鑑定や保証料の一部を補助するもの)や高齢者福祉住環境整備(バリアフリー工事費用として20万円まで補助) |
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文京区 | 高齢者等住宅修築資金助成事業(工事費の10%を上限20万円まで補助) |
などがあります。
年度によっても取り組み内容が変わるので、詳しくは
地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト でご確認ください。
住宅特定改修特別税額控除
バリアフリー改修工事費用が50万円以上かかった場合に費用の10%(最高200万円)までが所得税から控除されます。
これは住宅ローンを利用していない場合でも対象になります。
特定増改築等住宅借入金等特別控除
住宅ローン(リフォームローンを含む)を利用してバリアフリー工事をした際に費用が50万円以上の場合、一部が税額控除されます。
(入居する時期によって控除率や上限が異なります)
なお、上記の住宅特定改修特別税額控除の対象になる場合は、どちらかひとつだけが受けられます。
メモ:バリアフリーを推進する理由
超高齢化が進む日本では、なるべく住み慣れたところで老後を迎え、介護を受けられるようにとさまざまな取り組みを進めています。
介護保険の見直しもその観点で進められています。
自宅で介護ができるようにバリアフリーを推進するのはそのためです。
介護を受ける本人にとっても、介護をする家族にとっても負担のないように助成金や税額控除を利用してバリアフリーにしておきましょう。
バリアフリー住宅の定義について
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)ではバリアフリー住宅の基準として「高齢者等配慮対策等級3」を設けています。
内容としては「移動等に伴う転倒・転落等の防止並びに介助用車いすの使用者が基本的な生活行為を行うことを容易にするための措置が確保された住宅」ということになります。
具体的な内容は次の通りです。
- 日常生活空間内の段差をなくす(5mm以下の段差を段差がないといいます)
- 浴室の出入り口の段差が20mm以下または浴室内外の高低差が120mm以下、またぎ高さが180mm以下で手すりがあること
- 階段のけあげ(R)と踏み面(T)の関係が
① R/T≦22/21
② 550mm≦T+2R≦650mm
③ T≧195mm
のすべてを満たすこと - 階段の片側、トイレ、浴室、玄関、脱衣場のそれぞれに手すりがあること
など細かい条件が設けられています。
難しい規定がありますが、基本的には
- 段差をなくす
- 手すりをつける
の2点が重要なポイントです。
バリアフリー住宅、頼むならこんな業者がオススメ!
バリアフリー工事を頼むなら、バリアフリー工事を多く取り扱っている専門の業者に依頼するのがおススメです。
「福祉住環境コーディネーター」の資格を持つスタッフがいる工務店や過去のバリアフリー工事、リフォーム例をホームページに多く掲載している業者などに相談してみましょう。
特にリフォームの場合は現状を活かしながら改修する必要があり、高度な提案力や設計力、知識などが必要になります。費用面だけでなく提案内容をよく検討して決めることが大切です。
まとめ|バリアフリー化で「高齢者が住みやすい」家を手に入れよう
超高齢化社会が早いスピードで進んでいて、どこの世帯でも親の介護に直面する可能性があります。介護が必要になってから慌てることのないように、同居を始めるタイミングをよく話し合って必要な改修を進めましょう。
平成31年6月まではバリアフリー工事に対しての税額控除などがあります。上手に活用して親子で住みやすい家を手に入れましょう。