住宅ローンを滞納するとどうなるの 返済出来なくなったら、どうすべき?
誰にとっても「住宅ローン返済」を続けるのは、大変なことです。しかし、家計が苦しい時でも、滞納をしてはいけません。滞納をしてしまうと、最悪の場合、大切な家を失うことになりかねないからです…!
ここでは、住宅ローンの支払いを滞納したらどうなるのか? また、最悪の事態を避けるには、どのように対処すべきなのか。詳しく説明したいと思います。
この記事でわかること
ローンの支払いが苦しくなるのは、こんな時!
順調に返済していても、お金のピンチは突然やってきます。例えば、急な病気や怪我、リストラなどが原因で、ローンの支払いが苦しくなるかもしれません。
滞納をしたら、金融機関から届く「督促通知」について
住宅ローンの返済が滞ると、最初は「期日が過ぎています」という内容で、督促状が送られてきます。また、金融機関によっては(早い段階で)督促の電話が掛かってくる可能性もあります。
通知に書かれた期日までに支払いできるよう、可能な限り「やり繰り」をしてみてください。例えば、貯蓄を切り崩したり、定期を解約することで、乗り切れるはずです。
督促状は四段階あり、返済できない場合は一括返済や、建物の競売が行われる
督促状には種類があり、延滞の時期に合わせて、以下の督促状が送付されます。まずは、初期段階①〜②の督促状を見てみましょう。
督促状の種類 | 内容 |
---|---|
① 督促状・競売予告通知 | このまま滞納が続くと「競売に出すことになる」という内容の通知です。 督促状が来る前に返済するのが原則ですが、できない場合は、督促状に書かれた期日を目途に、返済を行ってください。 |
② 代位弁済予告通知 (事実上の最後通達) |
このまま支払いがなければ「保証会社が代位弁済する」という内容の通知が来ます。代位弁済とは、債務者(ローンを利用している人)に代わり、保証会社が支払うことを指します。 代位弁済には、14%の遅延損害金を支払う必要があります。また、代位弁済が実行される時点で、住宅ローンを一括返済するよう求められます。 |
以後は、支払いができず「分割返済の権利が無くなった場合」の督促状になります。③〜④の順番に、確認してみましょう。
督促状の種類 | 内容 |
---|---|
③ 期限の利益の喪失通知 | 競売予告通知が来たら、ローン契約に違反したので、分割返済の権利を失います。 |
④ 代位弁済通知 | これは「保証会社によって、代位弁済が行われた」という内容の通知です。 ④の通知以降は、金融機関からの通知ではなく、保証会社からの通知に切り替わります。 この時点で、保証会社に14%の遅延損害金とローン残金を一括で支払うよう請求されます(※ 団信の契約も解約扱いになる)。 |
⑤ 担保不動産競売開始通知 | 担保不動産競売開始通知は、裁判所からの通知です。④の請求通り、一括返済できない場合は、不動産が競売に掛けられます。 不動産が差し押さえられてしまうと、私たちが、自由に売却できなくなります。 |
住宅ローンの返済が厳しい場合も、何とかして②までに、問題解決できるようにしましょう。③以降の通知が来てしまうと、強制的に家を手放すよう、法律が執行されます。
競売後の流れ|他人の手に不動産が渡るまで…
裁判所から通知が来て、約2カ月ほどで土地や物件の調査が入ります。査定の後、正式な鑑定資料が作成され、いよいよ不動産が競売に掛けられます。
競売情報が一般公開された後、一定の期間を置いて入札が開始されます。ここで、落札者が現れると、入居者のタイミングで退去しなければいけません。
競売のデメリットは、市場価格よりもかなり低い金額で、売りに出されてしまうことです。
競売になる前に、できること
もし、支払いを続けるのが難しいのなら「元金を据え置きにしてもらえないかどうか」金融機関に、相談をしてみてください。場合によっては「利息だけ支払う」ことが認められ、一定期間は返済がラクになるかもしれません。
また、返済の期間を延長してもらったり(契約内容によっては)一定期間返済猶予が受けられるローンもあります。
自分たちの住まいの価値(価格)は常に把握しておこう
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滞納する前に…早めの相談が吉を呼ぶ!
競売に出される前に(滞納した時点で)早めに、金融機関に相談をしましょう。金融機関も「できるだけ、競売にかけずに払える方法」を考えてくれるはずです。
どうしても残金が払えない時は、任意売却できるよう交渉してみてください。また、延滞をする以前に「今後も支払いが難しい」と感じたのなら、金融機関に相談し、任意売却で手を打つようにしてください。
任意売却は、不動産会社や弁護士と共同で、手続きを行います。売却には、債権者(金融機関)の同意が必要ですが、競売になる前に、任意で家を売りに出すことができます。
任意売却は「競売よりも、より高い価格で売却できる」ので、早めに手続きを行ってください。
滞納は、人ごとじゃない! もしもの場合に備えて、貯金をしておこう
いかがでしたか? 滞納は人ごとではありません。ローンを利用中の方なら、誰もが抱える「大きなリスク」です。
もしもの場合に備え、普段から貯金を残すようにしましょう。蓄えがあれば、大抵の問題は、難なくクリアできます。
また、病気や怪我になった場合「住宅ローンが免除される」保険に加入しておきましょう。こうした保険は、病気や怪我の場合、保険料で「住宅ローンの支払い」をカバー(補償)してくれるので安心です。
何か起こった時のために、保険や蓄えなど、安全策は複数用意しておきましょう。