バリアフリー化に適した「住宅ローン」
ここでは、バリアフリー工事に使える「便利な住宅ローン」をいくつか紹介します。二世帯で住まれる方、老後に向けてバリアフリー工事をされる方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
バリアフリー化で、最低限必要なお金(平均の工事価格は?)
バリアフリー化で必要なお金は、工事の規模によって変わってきます。
例えば、一軒まるごとバリアフリー工事をする場合は、数百万円の費用が必要です。しかしパーツ毎の工事なら、4〜5万円から10万円以内で施工できます。
工事内容 | 価格 |
---|---|
階段やトイレ、浴室に手すりを付ける | 4〜5万円(1箇所あたり) |
バリアフリー仕様の扉を設置する | 10〜15万円(1箇所あたり) |
ホームエレベーターの設置 | 200〜250万円 |
玄関にスロープを設置する | 40〜60万円 |
浴室を全面、バリアフリー化する | 30〜150万円 |
トイレのバリアフリー化 | 10〜20万円 |
バリアフリー化の施工で最も高いのは、ホームエレベーターの設置です。エレベーターの設置には、ある程度のスペースや予算、工期が必要です。リフォームが難しい場合は、バリアフリー住宅に引っ越し(または建て替え)される方も多いです。
バリアフリー工事で使える住宅ローン
ここからは「バリアフリー工事で利用できる住宅ローン」を紹介しましょう。
① フラット35のバリアフリー性住宅ローン
「フラット35」Sは、以下の条件を満たした場合、金利の引き下げが実施されるお得な住宅ローンです。
「フラット35」Sの適用となる住宅
- 省エネルギー性
- 耐震性
- バリアフリー性
- 耐久性・可変性
フラット35Sの技術基準を満たせば、以下の条件で「金利の引き下げ」が適用されます。
施工の条件 | バリアフリー性に関する基準 | 金利の内容 |
---|---|---|
① 高齢者等の寝室が8畳ある ② 内寸1.4m × 1.8mの浴室を設置 ③ 手すりの設置 ④ 室内の段差を解消している ⑤ その他 |
バリアフリー性に関する基準(高齢者等配慮対策等級3)を満たす必要がある | 借入当初の10年間は、通常の金利より0.6%低い特別な金利が適用される |
① 高齢者等の寝室が6畳ある ② 内寸1.3m × 1.6mの浴室を設置 ③ 手すりの設置 ④ 室内の段差を解消している ⑤ その他 |
バリアフリー性に関する基準(高齢者等配慮対策等級4)を満たす必要がある ※ 共同住宅の専用部分は等級3 |
借入当初の5年間は、通常の金利より0.6%低い特別な金利が適用される |
ここで紹介した基準は、ほんの一部です。どの金利が適用されるのか、以下のページで「貸付条件」を確認してください。
フラット35の「バリアフリー基準」を満たしているか確認しよう!
② 銀行のリフォームローン
銀行では住宅ローンのほかに「リフォームローン」を取り扱っています。リフォームローンを利用すれば、バリアフリー化(施工)にも融資が受けられます。
また、銀行ローンの多くは、バリアフリー工事に対して金利の引き下げを実施しています。年0.1〜0.2%金利が低くなるほか、個別に「バリアフリーローン」を扱う銀行もあります。
バリアフリー専用ローンは、他の住宅ローンやフリーローンよりも金利が低く、(金銭的な)負担を無くして施工できるよう工夫されています。
③ 財形住宅融資で「リフォームローン」を借りる
財形貯蓄を1年以上(残高が50万円)している方は「財形住宅融資」が利用できます。財形住宅融資は、預入残高の最大10倍まで融資が受けられ、リフォームローンとしても活用できます。
④ 信販会社のリフォームローン
信販会社とは、クレジットカードの発行を行う金融会社です。信販会社ではクレジットカードのほか、フリーキャッシング(現金の借り入れ)、教育ローン、マイカーローン、レジャーローン、ブライダルローン、リフォームローンなど、さまざまな融資を行っています。
信販会社のリフォームローンは、融資までの時間が早く、最短2〜3営業日に融資が実施されます。ただ、融資の金額は10〜300万円までの設定が多く、金利も8%〜17%近いローンがあり、長期の借入には適していません。
ワンポイントメモ 信販会社でも「フラット35」は利用できる!
信販会社を利用する場合は、信販会社から申し込める「フラット35」Sを利用しましょう。フラット35は銀行だけではありません。通常の金利より0.6%低い、優遇金利が実施されます(前項フラット35のリフォームローンを参考のこと)。
上手に活用したい! バリアフリー工事で受けられる助成金&補助金
ここまで、バリアフリー工事で使えるローンを紹介しましたが、ローンのほかにも助成金や補助金が受けられます。最寄りの区役所・市役所・役場でリフォーム助成金について質問をしてみてください(各自治体のホームページでも確認可)。
税金の申請「リフォーム減税」
バリアフリー工事は税金の優遇が受けられます。減税の内容と手続きの方法は、国税庁のホームページで確認をしましょう。
参考:国税庁「バリアフリー改修工事をした場合の住宅特定改修特別税額控除について」
ワンポイントメモ 『バリアフリーはローンと補助金を組み合わせる必要アリ』
高額になりがちなバリアフリー工事は、ローンと補助金を組み合わせることが重要です。各地方自治体で補助金や助成金があれば、必ず申請を行ってください。また、バリアフリー工事に関する「減税手続き」も忘れず申請しましょう。