銀行の住宅ローンは複雑? 正しい「金利の見方」を解説!
住宅ローンに限りませんが「金利の見方」は、少々複雑です。また、銀行ローンの商品説明を見てみると「借入当初は−〇〇%」など、分かりにくい表記が多いです。ここでは、銀行ローンと金利の正しい見方について説明しましょう。
この記事でわかること
銀行ローンの金利で、間違いやすいポイント|金利の優遇について
住宅ローンには「借入当初は、金利の優遇あり」と書かれた(融資)商品が多いです。また、店頭の金利がすべてではありません。大抵の場合、店頭価格から引いた金利を採用します。
ローンの担当者がいれば「店頭金利から、何パーセント引いてくれるのか」詳しい説明を受けてください。また、バリアフリー住宅や、耐震設計など、施工する家の状態や工事内容によって、金利引き下げの条件も変わってきます。
例えば、一定の条件を満たした「長期優良住宅」であれば、借入から5年は、通常金利よりも低く融資が利用できます。こうした「優遇期間」を利用すれば、繰り上げ返済などもしやすく、金利上昇のリスクを避けて、賢くローンが活用できます。
住宅ローン金利は額面だけでなく「適用金利」をきちんと確認してから、申込をしてください。
銀行ローンの金利、正しい見方を覚えておこう!
ここからは、「具体例」を使って、銀行ローン金利を見てみましょう。私たちが店頭で目にするのは、表中①の「店頭表示金利」です。
銀行などのウインドウにも、こうした店頭金利が表示されています。しかし、最も重要なのは②の「引き下げ金利」と③の「実際の金利」です。
① 店頭表示金利 | 2.50% |
② 引き下げ金利 | −1.50% |
③ 実際の金利(適用金利) | 年1.0% |
分かりやすく考えるため、スーパーマーケットの例を使ってみましょう。みなさんが普段お使いのスーパー、ドラッグストアでは、商品の値段と店頭価格は、異なるはずです。
例えば、定価500円のシャンプーを380円で売ることもあれば(別の特売日には)300円で売られることもあります。
住宅ローンも同様に、店頭の金利がそのまま適用される訳ではありません。住まいの使用や借入の期間などによって、ローン金利は引き下げられていくのです。
通常、店頭の金利よりも、高くなることはありません。ほとんどの場合、店頭金利よりも低いレートで、住宅購入費用が融資されます。
【実践】銀行ローンと借入の状況をシミュレーションしてみよう
住宅ローンの金利引き下げには、大きくわけて2パターンの「引き下げ方法」があります。1つめは「全期間一律」で引き下げられるもの。もう一方は「借入当初ののみ」金利引き下げが実施されるタイプです。
区分 | 借入当初10年の金利 | 借入10年目以降の金利 |
---|---|---|
A. 全期間引き下げ | 店頭金利3.0%から、−1.2%の金利引き下げ 金利1.8% |
店頭金利3.8%から、−1.2%の金利引き下げ 金利2.6% |
B. 一定期間引き下げ | 店頭金利3.0%から、−1.5%の金利引き下げ 金利1.5% |
店頭金利3.8%から、−0.8%の金利引き下げ 金利4.0% |
Bの引き下げ期間は、ローンによって(適用期間)が異なります。今回は、当初10年の引き下げローンを紹介しましたが、中には「金利引き下げは、借入当初5年まで」とするローンもあります。
A. 全期間引き下げ
Aの全期間引き下げは、どの期間でも一定の引き下げ(この場合は−1.2%)があります。借入当初から推移がゆるやかで、金利上昇後も、利息の負担が小さく感じられます。
B. 一定期間引き下げ
Bの一定期間引き下げは、当初の金利引き下げ幅が大きなローンです。しかし、一定の期間を過ぎると、金利の引き下げ幅が小さくなり、金利の上昇幅が大きくなります。
このため、引き下げ幅が大きい間に、繰り上げ返済をコツコツ繰り返すことが、金利引き下げ後の衝撃(返済負担)を抑えてくれます。
計算できない時は、専門家やシミュレーターにお任せしよう
計算が苦手な人は、少なくありません。特に、複雑な住宅ローン金利の計算は、素人にとってハードルの高い作業です。
計算をすることに自信が無かったら、無理をせず、ローンの担当者や専門のスタッフに「シミュレーション」の依頼をしましょう。
また、個人でもシミュレーターを使えば、簡単な操作だけで、金利の自動計算が使えます。各金融機関(銀行・住宅ローン専門の業者・地方銀行・ネット銀行など)の公式サイトを開いて、住宅ローン関連のページでシミュレーターを利用してください。
シミュレーターは、年収や借入を希望する期間など、簡単な質問に答えるだけで、金利や返済総額が計算できます。返済計画を早めに立てることは、住宅ローン利用の成功に欠かせないことです。
計算が苦手な方は(上記)いずれかの方法で、金利のシミュレーターをしてみてください。また、金利の引き下げについては、担当者をじっくり説得することも大切です。負担にならない範囲で、金利条件の交渉をしてみましょう。
まとめ・住宅ローンを活用するには「金利の裏」を読み取る必要アリ!
いかがでしたか? 住宅ローン金利を正しく読み解くには、店頭金利だけでなく、適用金利から「実際の金利」をシミュレーションする必要があります。
また、0.1%でも金利が低くなるよう(負担にならない範囲で)金利の交渉をしてみても良いでしょう。住宅ローン金利を抑えることは、返済総額の軽減につながります。