完売する前に、まずは予約! 物件の「購入予約」について
購入申込は、別名「購入予約」と言います。この手続きは「物件購入の意思」を示し、場合によっては予約金や手付金を支払います。
本記事では、新築一戸建てやマンション購入を例に、予約の際「どのような手続き」が必要なのか、詳しく説明します。
この記事でわかること
物件の購入予約|マンションは先着順の場合が多い
新築分譲マンションでは、先着順で購入予約を受け付けることが多いようです。チラシやインターネットなどで
「○月○日より先着順受付開始」
と大々的にアピールしているのが「先着順方式」です。
一方、
「○月○日まで抽選登録受付中」
としているのが「抽選方式」です。
どちらも自分が希望する物件(部屋)を決めて、購入予約をします。
それぞれのメリットとデメリットは以下の通りです。
先着順方式 | 抽選方式 | |
---|---|---|
メリット |
・ほかの人よりも早くに申し込めば購入できる。 ・ほかの人より遅かった場合は「仕方がない」とあきらめがつく |
・先着順方式のように申し込み日を忘れないように意識したり、朝早くから並んだりする必要がない ・受付日ギリギリまで購入を検討することができる |
デメリット |
・申込日が決められているので、じっくり検討する時間がない |
・抽選の結果がわかるまでドキドキして待たなければならない ・抽選に外れたら、すぐに違う物件を探さなければならない |
それぞれの方法での購入までの流れを理解しておきましょう。
先着順方式の場合
- 物件を探す
- モデルルームを見学したり、営業担当者から説明を聞いて検討する
- 「先着順」の「受付開始日」を確認する(受付時に申込証拠金が必要な場合は金額を聞いておく)
- 受付開始日に購入予約に行く
- 受け付けができたら申込証拠金を支払う
- 購入予約から10日後くらいに手付金を納めて売買契約を結ぶ
- ほぼ同時に住宅ローンを申し込む
抽選方式の場合
- 物件を探す
- モデルルームを見学したり、営業担当者から説明を聞いて検討する
- 「抽選」の受け付け(登録)期間を確認する
- 抽選の登録に行く
- 抽選の結果を待つ
- 抽選に通ったら購入予約と申込証拠金を支払う
- 購入予約から10日後くらいに手付金を納めて売買契約を結ぶ
- ほぼ同時に住宅ローンを申し込む
「申込証拠金」は必要な場合と不要な場合があります。事前に業者に確認しておきましょう。
また、抽選方式の場合は抽選の結果を待つというステップがあるため、先着順よりも時間がかかります。
住宅ローンで知っておきたい用語㉕: 購入予約・購入申込
住宅購入までの過程では
①購入予約
②購入申込
があります。
それぞれの意味を理解しておきましょう。
①購入予約とは
「その物件を購入する気持ちがある」という意思表示をすることを購入予約といいます。
新築マンションや建売住宅などは発売を公開すると、すぐに購入希望者が申し出ることがあります。
その場合は「抽選」や「先着順」で申込者を決定します。抽選に申し込むことや先着受け付け開始日に申し込みに行くことが「購入予約」に当たります。
先着順でほかの購入希望者よりも先に申し込みができた場合や抽選で選ばれた場合は購入申込の手続きに移ります。
②購入申込とは
購入の意思が固まり、業者と購入申込書を交わします。
購入申込書には物件価格や手付金の額、代金の支払い方などを記入します。ただし、法的な拘束力はないので、購入申込後でもキャンセルは可能です。
購入申込をして購入の意思を示してから業者と価格などさまざまな条件を交渉することになります。
一戸建てや中古物件の購入予約|申込証拠金が必要な場合も
物件を見に行って気に入ったら、購入金額など諸条件の交渉を行います。
購入の気持ちが固まったら
「買付証明書」
を渡します。買付証明書は「この条件で購入します」という意思表示をするための書類です。
このときに「申込証拠金」を支払います。(中古マンションの場合は申込証拠金は支払わないケースがあります。)
申込証拠金は10万円程度ですが、業者に確認しましょう。
中古マンションや一戸建て住宅には新築マンションのような先着順や抽選はありませんので、じっくり検討してから決めましょう。
購入予約で必要なお金・書類について
購入予約・購入申込時には「購入申込書」に記入し、「申込証拠金」を支払います。(不要なケースもあります)
また、契約を交わすときには「売買契約書」に記入・押印し、「手付金」を支払います。
一般に申込証拠金は5万円~10万円程度、手付金は物件価格の1割程度です。
申込証拠金は後日、手付金の一部に充当されます。また、手付金は頭金の一部に充当されます。
メモ:購入予約は、焦らないことが重要!
新築マンションでは
「第1期分譲15戸 販売同時に完売!」
「好評につき第2期15戸 ○月○日より先着順で申し込み受付開始!」
などと購入をあおるような宣伝が多くされています。
また、マンションを見学した際に営業担当者が
「こちらの物件は人気があるので、早く決めないと売れてしまいますよ」
「今日なら優先的にお申し込みいただけます」
などと購入を急がせる場面もよくあります。
たしかに好立地で条件がいい物件は人気があるかも知れません。
しかし、大きな買い物なので、即決するのは避けておきましょう。
マンションは一戸建て住宅に比べると購入予約の後でも取り消しがしやすいですが、お互いにあまりいい気分がするものではありませんし、次からその業者で物件を探すのがしづらくなります。
なるべく避けておきましょう。
予約後のキャンセル手続き|費用は返ってくるのか…?
購入予約の段階では売買契約は成立していません。そのため、何らかの事情でキャンセルすることは可能です。
キャンセルの手続き方法は次の手順で行います。
- 口頭で営業担当者にキャンセルしたい旨を伝える(理由も話す)
- 営業担当者から手続き方法(必要な書類など)を聞く
- 応じてもらえない場合は「内容証明郵便」で「申し込みを撤回したい旨と返金してほしいこと」を書いて送る
購入予約時に支払った申込証拠金は返金されます。
また、特にペナルティとして違約金やキャンセル料などは発生しません。
購入予約で注意したいポイント|購入拒否になったら?
せっかく購入予約をしたのに、別の買い主がさらに高値で購入すると申し出た場合は、売り主から「購入拒否」されることがあります。
購入予約は本契約ではないので、法的な拘束力がありません。購入拒否された場合は仕方がないので、先方の指示に従いましょう。
逆に売り主が価格を釣り上げるなど、無理な条件を提示した場合は購入を拒否することができます。
よく調べて納得のいく物件購入をすることが大切です。
まとめ|購入予約は慎重に! キャンセルの場合は相手に迷惑を掛けないこと
新築マンションでも中古物件や一戸建て住宅でも、購入予約では「購入申込書」や「買付証明書」などを交わして購入の意思を示します。
ただし、なんらかの事情で購入を取り消したい場合はキャンセルが可能です。予約時に払った申込証拠金は返金されますが、相手に迷惑をかける可能性があります。
また、お互いに気まずい思いをしますし、自分の信頼を落とすこともあります。
購入予約は慎重に行いましょう。